40代未経験でも不動産会社を開業できる?現状や必要な準備などを解説


2025年12月26日

不動産開業を考えるミドル世代のビジネスマン
働き方の変化により、大人の学び直しである「リスキリング」など、40代以降のキャリア開発が今とても注目されています。

2023年度の宅建士試験では、76歳の元警察官が合格し話題を呼びました。

本記事では40代未経験の方が不動産会社を開業することをテーマに、おすすめの資格、開業の流れや費用などを解説します。

「40代から挑戦して不動産業の社長になりたい」という読者の方には特にお読みいただきたい記事となっています。ぜひ最後までお読みください。

未経験で不動産会社を開業する40代ならではのメリット

40代が不動産業開業をするメリット
40代は、お客様のニーズを汲み取る力や判断力が磨かれ、クライアントやビジネスパートナーからの信頼を得やすい年代です。

今までのキャリアで培った対人折衝能力や知識、人脈を活用し、独立開業を志す人も多いのではないでしょうか。

中でも不動産業は、人気のある分野です。銀行をはじめとする金融業や、ゼネコン等の建築業、企業の法務担当など関連分野の経験者であれば、これまでの業務で得た知識を活用できるでしょう。

40代の不動産業未経験者も、基本的な知識や業界のトレンド把握、地域の不動産市場に対するニーズに対しての理解があれば、開業と成功は可能です。

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未経験で不動産会社を開業する40代ならではのデメリット

地価推移のデータを分析する不動産営業
一方で40代は社内で責任ある立場を任されやすい年代でもあります。

会社からの慰留や家族の反対などで起業に至らないケースもあるでしょう。

また、どのような業種業態であっても、一般的に開業直後は収入が安定しないケースが多く、数年間は会社員時代より年収が下がるケースは多々あるものです。

子育てや親の介護など安定した収入源が求められることが多い年代でもあるため、家計への影響も考慮しておきましょう。

事業が軌道に乗るまで、アルバイトなどで生活費を稼いだり、節約をせざるを得なかったりといったことも考えられます。

しかし、そうした経験も研鑽の機会としてとらえれば、道が開くきっかけになります。前向きにとらえ、一歩ずつ進んでいきましょう。

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不動産業界の現状|開業数・廃業数を紹介

不動産会社の開業数・廃業数のイメージ
国土交通省から以下の調査結果が発表されています。

令和6年度末(令和7年3月末)現在の宅地建物取引業者数は、132,291業者(大臣免許が3,158業者、知事免許が129,133業者)です。

出典:令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について|国土交通省
令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果|国土交通省
過去20年の推移を見ると、宅建業者数はH17の約13.1万件をピークにいったん減少し、H25には約12.2万件まで落ち込みました。

しかしH26以降は底を打ち、緩やかな増加基調へ転じています。特にR1以降は上昇ペースが加速しており、R6には13.2万件超と、過去20年で最も高い水準を記録しています。

この背景には、都市部の不動産流通の活発化や、個人事業主・小規模事業者の新規参入増加、相続・空き家問題への需要拡大などがあると考えられます。

これらの社会的ニーズは今後も続く見込みであり、宅建業者数は当面、増加傾向が続くと見られます。

40代未経験からでも挑戦できる不動産業は?

40代未経験から不動産業へチャレンジ
40代の不動産未経験者に人気の事業は、不動産管理業、不動産仲介業、大家業です。以下、これらの事業内容(概略)について説明します。

1. 不動産管理業

不動産管理業は、大家(オーナー)からの依頼を受けて物件の管理や入居者の募集などを行い大家から支払われる手数料を収入源とします。

自社で不動産を保有しないため、開業に必要な初期投資を低く抑えることができるのがメリットです。

また家賃収入をベースとした安定した収入源を確保できるのも魅力の一つと言えるでしょう。

一方で、不動産管理者として入居者からのクレーム対応や、オーナーとのトラブルの仲介など、顧客対応に多くの時間を費やす必要があります。

中には、夜間や早朝に緊急対応を求められるケースもあり、精神的な負担が大きくなるので注意が必要です。

2. 不動産仲介業

不動産仲介業は、不動産の売買契約や賃貸物件の賃貸借契約の媒介を行い、仲介手数料を収入源とします。

仲介手数料の報酬額は宅建業法で規定されています。詳細は以下の通りです。

賃貸の仲介手数料

賃貸物件の仲介手数料の上限は原則として「家賃1ヶ月分+消費税」です。

売買の仲介手数料

売買の仲介手数料は下記の通りです。

売買価格 仲介手数料
200万以下の部分 売却価格の5%(+消費税)
200万円を超えて400万円以下の部分 売却価格の4%+20,000円(+消費税)
400万円を超える部分 売却価格の3%+60,000円(+消費税)

大家業

大家業とは、戸建て・一棟アパート・マンションなどの不動産を有し、所有する物件の賃料を収入源とします。

空き家が多い昨今、入手した物件をセルフリノベーション(DIYで改修する)など行うことができれば、物件取得費用を抑えられます。

大家業の場合は、自己所有の物件の賃借のため宅建免許は不要です。

不動産投資のセミナーを受講したり、関連資格の取得などして必要な知識を身に付けた上でチャレンジしてはいかがでしょう。

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【今からでも間に合う!】40代未経験が取得するべき不動産資格4選

不動産に関する資格テキストのイメージ
40代未経験から不動産業を開業する際、取得しておきたい資格を4つ厳選してご紹介します。

1. 宅地建物取引士

宅地建物取引士の資格は、不動産仲介業に欠かせません。

重要事項の説明や重要事項説明書への記名など、宅地建物取引士の独占業務もあります。

宅建業法・民法・法令上の制限・税その他といった分野から出題され、勉強時間の目安は初心者かつ独学の場合で600時間以上とされています。

2. マンション管理士

マンション管理士は、不動産管理業を目指す人におすすめの資格です。

区分所有に関連する法律や設備の維持管理など、実務に役立つ知識を体系的に身に付けることができます。

内容は民法、区分所有法、標準管理規約、建築・設備などから出題されます。

なお、初心者の勉強時間は700時間と見積もっておくと良いでしょう。

※補足:管理業務主任者の資格を既に取得している方は、「マンション管理適正化法」に関する5問の免除が可能です。

3. 管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者が管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務の報告などを行う際に必要な国家資格です。

勉強時間の目安は300時間程度で、他の資格と比べると比較的短時間で合格ラインが見えてくるでしょう。

出題範囲は法令や管理実務、建築・設備などで、既にマンション管理士に合格している方は「マンション管理適正化法」の5問が免除されます。

4. 賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関し、設置が義務付けられている「業務管理者」の要件である国家資格です。

賃貸住宅管理業、賃貸管理の実務、賃貸借に係る法令、建物・設備といった分野から出題されます。

宅建士試験が終わった1か月後である11月に試験が開催され、宅建士試験と重複する問題もあるため、受験者が増えています。

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不動産会社を開業する際に必要な資金と内訳

不動産開業資金のイメージ
宅建業の開業資金は、「保証協会」に加入するか否かで大きく異なります。

宅建業(宅地建物取引業)の開業には、営業保証金の供託が必須で、本店が1,000万円、支店が500万円と定められています。

一方で保証協会へ加入する場合の弁済業務保証金分担金は本店が60万円、支店が30万円です。

  営業保証金 弁済業務保証金分担金
金額 主たる事務所:1,000万円
その他事務所ごと:500万円
主たる事務所:60万円
その他事務所ごと:30万円
納付先 最寄りの供託所 加入する保証協会

不動産会社の開業にかかる資金の目安と内訳を、以下の表にまとめてみました。

  保証協会に加入した場合 保証協会に加入しなかった場合
総額(目安) 400万~1,000万円 1,100万~1,800万円
内訳(目安) 事務所:100万~300万円
機器・通信費:25万~110万円
弁済業務保証金分担金:60万円
各種団体への加入費:120万円
免許申請の手数料:3万3,000円
その他諸経費:20万~150万円
事務所:100万~300万円
機器・通信費:25万~110万円
営業保証金:1,000万円
各種団体への加入費:120万円
免許申請の手数料:3万3,000円
その他諸経費:20万~150万円

開業費用を抑えるためにも、保証協会への加入を積極的に検討しましょう。

◆関連情報:

開業を目指す方へ|全日本不動産協会

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不動産業の開業におすすめの助成金6選|資金面の不安を払拭しよう|全日ラビー不動産コラム

不動産会社の開業に必要な時間と手続き

40代が不動産開業をするときのメリット
不動産仲介業で開業する際の手続きの流れの例を紹介いたします。

  1. 事務所として使う物件を探す
  2. 会社を設立する
  3. 宅地建物取引士を設置する
  4. 宅地建物取引業免許の申請をする
  5. 保証協会に加入する
  6. 開業

長期的な目線でスケジュールを調整し、計画的に準備を進めましょう。

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【必読】不動産業の開業前に読んでおきたい!一人起業のトリセツ|全日ラビー不動産コラム

40代未経験で不動産会社の開業を成功させるポイント

40代未経験からの不動産開業のイメージ
40代未経験で不動産会社の開業を成功させるポイントを5つ解説します。

自発的に行動する習慣を身につける

開業すると、会社員時代ほど他の人が自分のことを気にかけてくれる機会は少なくなるものです。

仕事の優先順位、実務に関する勉強、交流会への参加などに関して、ほとんどを自分で決めて実行することになります。

自分で考えて行動に移す習慣を身につけておきましょう。

時間を作り活用する

資格取得に向けた勉強や、開業の準備には時間がかかるものです。

宅地建物取引士の勉強時間の目安は600時間が目安です。

会社で働きながら開業を目指すには、時間の確保と有効活用が重要です。

通勤時間や昼休みの間は学習に集中する、交流会やセミナーに参加するなど、独立開業のための時間を設けるようにしましょう。

集客に力を入れる

広告の掲載やSNSの活用、ホームページの準備など、集客に力を入れましょう。

交流会で出会った人や以前勤めていた職場の同僚などに、何かあったら自社に声を掛けて欲しい旨を伝えておくのもひとつの手段です。

会社員時代に契約を取れていたのは、会社のネームバリューによるところもあるかもしれません。

まずは大勢の人に会社の存在を知ってもらいましょう。

資金面の備えを用意する

事務所の毎月の家賃や光熱費、経営状況が安定するまでの運転資金、自分の生活費なども準備する必要があります。

開業後の予算が乏しいと、些細なことで経営が傾いたり、自分や社員の生活がままらなくなったりします。

融資や助成金などを使って資金面の備えを用意しましょう。

フランチャイズでの開業を検討する

大手企業のフランチャイズへの加盟も一つの手段です。

本部へのロイヤリティ支払いが義務付けられますが、一定のネームバリューを得られます。

下記の記事もおすすめです。

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不動産会社の運転資金の目安は?資金調達の方法、融資について解説|全日ラビー不動産コラム
不動産業の集客にはSNSがおすすめ!活用法や成功事例を紹介|全日ラビー不動産コラム

不動産業開業に向けた準備とは?

不動産開業に向けた準備
不動産業界を始めるには最低限の開業資金や必要な資格の取得、事務所として使う物件の契約などさまざまな準備が必要となります。

とはいえ、余計な焦りは禁物。まずは目標とする開業スケジュールから逆算し、やるべきことをすべてリストアップしてみましょう。その上でできることから一つずつ取り組めば、確実に開業への道は開けていきます。

開業前に必要な準備についての詳細な情報は、別ページでまとめて解説しました。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

◆関連情報:

開業を目指す方へ|全日本不動産協会

【まとめ】40代未経験でも不動産会社を開業できる!

事業を軌道に乗せる不動産会社のイメージ
本記事では、40代未経験でも不動産業を開業できるかについて解説してきました。

不動産業を開業するには、不動産に関する相応の知識と経験の蓄積が必要です。

知識については、40代未経験からでも十分身につけることができます。

また、経験についても、他の業種でビジネス経験を積んだ40代であれば、たとえ不動産業は未経験であっても、開業できる人間力(経験)は備わっているでしょう。

以上の点をふまえれば、40代未経験からでも十分に不動産業開業に挑戦できるはずです。

まずは全日本不動産協会などが実施する不動産開業支援セミナーなどに参加し、不動産業開業にむけた情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。

◆関連情報:

会員インタビュー|全日本不動産協会

不動産業実務の相談は「全日本不動産協会」まで

「全日本不動産協会」は、1952年に設立された業界内でも歴史ある公益社団法人です。

中小規模の不動産会社で構成されており、2025年10月末の正会員数は37,923社で年々増加しています。

会員を対象とした研修会の開催や法令改正の通達、不動産情報流通システム「ラビーネット」の運営、国土交通省等と連携した不動産に関する研究・調査など、さまざまな事業を手掛けております。

東京都に総本部を構えるほか、47都道府県すべてに地方本部を設置しており、エリア内の会員のサポート体制も構築しています。

不動産実務の相談も受け付けておりますので、ぜひお近くの地方本部までお声がけください。

◆関連情報:

ご入会メリット|全日本不動産協会
入会資料請求|全日本不動産協会



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