トップ営業に学ぶ!成約が取れる不動産営業のコツとは?
2023年05月02日
経営で直面するのが営業の問題-いかに成約を獲得していくか-ではないでしょうか。営業は売上に直結する重要な部門です。
とはいえ、営業が得意な人もいれば、営業があまり得意ではない人もいて、結局のところ営業スキルの甲乙は属人化してしまいがち。
さて、営業で結果を出す人、出せない人との差はどこから来るのでしょうか?そもそも、営業スキルを体系的に学べるものなのでしょうか。
本記事では、成約が取れる不動産営業のコツについて解説します。ぜひ最後まで御覧ください。
不動産営業のコツ【マインドセット編】
不動産営業のコツを学ぶ前提として、まず営業に対する「マインドセット」を整えることが重要です。
営業に対する正しいマインドセットは、樹木の土壌に相当し、すべての根幹となります。実はトップ営業と成果の出ない営業の一番大きな差が「マインドセット」と断言する人もいるほどです。
以下、不動産営業にもっとも重要なマインドセットについてご紹介します。
1)営業に対する正しい認識を持つ
営業という言葉にどんな印象を持っているでしょうか。
営業に対する苦手意識を持つ人の多くは、営業は「モノ/サービスを売り込むもの」という罪悪感を持っています。こうした営業に対する罪悪感を持ったまま、不動産営業をすると、望む営業結果は出にくくなります。
自分自身がいやいや、納得しないまま営業しても、その感情は商談相手に確実に伝わるものです。
一方、トップ営業で結果を出す人は、営業に罪悪感を持ってる人は少ないようです。では、彼らの営業に対するマインドセットはどのようなものでしょうか。
営業が得意な多くの人は
「営業=困っている人をサポートする、問題解決のお手伝い」
というマインドセットを持っている共通点があります。
一方は営業=罪悪感を持ち、一方は営業=感謝という認識の差異。このマインドセットの差は、営業結果にも大きく影響します。
営業とはお客様のかかえる問題解決・提案するものという意識を持つだけで、営業への苦手意識がだいぶ減らせるはずです。ご自身の営業に対する正しい認識についてあらためて振り返ってみましょう。
2)商品に自信を持つ
自分が取り扱う商品(物件)に自信を持ちましょう。そもそも、自分が買いたくないものを相手に売る(営業する)という意識では、なかなか自信をもって不動産営業ができないのは当然です。
自分が取り扱う商品(物件)をよく知り、お客様の要望・ニーズにあわせた最適な提案を自信をもって行うようにすることが、売れる不動産営業の第一歩。こうした内面的な自信は、態度や言葉使いにも現れ、必ずお客様にも伝わるものです。
もちろん、物件の中にはいい面、悪い面があるでしょう。悪い面についても、ただ悪いだけで終わらせるのではなく、見方・立場を変えて、いい面として評価してみることをおすすめします。例えば、駅から遠い立地も、見方を変えれば「閑静な住宅地」と評価できるかもしれません。
自分が取り扱う商品(物件)の理解を深め、自信を持てるようにしましょう。
3)あくまで目線はお客様
結果を出す営業パーソンに多く共通している点は、彼らは「お客様目線」に立って考え、提案できる点にあります。
不動産営業は、売り手と買い手の構図になる以上、どうしても売り手目線=自分目線になりがちです。
どんなにお客様目線に立って考えようとしても、実際のところ難しいものです。では、お客様目線に立つにはどうしたらいいのでしょうか。
お客様目線に立つコツは以下の通りです。
1)主語を「お客様」にして説明する
主語をお客様にして言い換えるだけで、お客様目線で考え、提案できるようになります。
以下、例をあげてみましょう。
◆悪い例:この家は広い(主語は「家」になって、売り手目線になる)
◆良い例:お客様はスペースを自由に活用できる(主語は「お客様」で、お客様目線になる)
2)「だからどうなのか?」を考える
これも1)と同じですが、思考プロセスとして「だからどうなのか?」という問いを立てることは、お客様目線で考える重要な質問です。
これも、例をあげて考えてみましょう。
例)この家は徒歩10分
=>(だから?)通勤・通学に便利
=>(だから?)マイカーがない人にもオススメ
以上は単純な例ではありますが、お客様目線で考えるための有効なアイデアです。
まずは以上2点のコツをすこしずつ実践してみてください。
4)大量行動がすべての基本
結果を出すトップ営業担当者の共通点は、とにかく行動の絶対量が多い点です。もちろん、昔ながらの「根性・努力」だけで行動する、という意味ではありません。正しい努力・やり方を学んだ上での大量行動が不動産営業のコツです。
「なかなか結果が出ない」と不動産営業に悩む人は、実際のところ、そもそも数稽古(行動量)が足りないだけが原因である場合も多いようです。
例えば不動産営業の成約率を5%とします。この場合、100件中5件は確実に成約につながるので、営業で結果を出す人は、まず100件の大量行動をこなします。この100件の大量行動をこなせるかどうかが、不動産営業のコツと言えるでしょう。
その意味では、大量行動の過程における失注の一つ一つに一喜一憂しないことも、重要なマインドセットです。
不動産営業のコツは大量行動が基本です。
5)契約後もお客様
不動産営業は契約前と同様に、あるいはそれ以上に契約【後】も大切です。なぜでしょうか。
理由の一つは、一旦契約したものの後になって契約解除するという、お客様の心変わりを防ぐためです。
しかし、それ以上に重要なのが、お客様の目線に立って最大限の満足を提供する場合、契約後のフォローこそ大切だという点に留意しましょう。
不動産の取引は高額なものです。契約前までは熱心に営業したものの、その後何のフォローがない場合、お客様はどんな気持ちになるのでしょうか。
逆に契約後も、年賀状や暑中見舞いなど、折に触れマメに声がけする営業担当者がいたら、きっとその営業担当者のファンになるはずです。
その結果、案件のリピータにつながったり、紹介につながったりするものです。不動産営業は高額の取引だからこそ、人間関係・人とのつながりで営業に発展する場合も少なくありません。
不動産営業のコツは、契約【後】も引き続きお客様であるというマインドセットが重要です。
不動産営業で結果を出すためのコツ【営業フロー編】
次に不動産営業で結果を出すためのコツを、不動産の営業フローにそってご紹介します。
ステップ1:初回の接触とアポイント
初回の接触で気をつけるべき点は、最初から「売り込まない/押し売りしない」ことです。
まず、先方の要望について聞くことをメインにした対応を心がけましょう。
またお客様からの問い合わせには迅速に回答することも重要です。お客様が物件を探している段階では、競合の不動産会社にも同じように連絡しているでしょう。迅速な回答は競合への顧客流出を防ぎ、また相手へ好感を与えます。
来店前のこうした接触は、来店アポ取りにむけた大切な不動産営業のプロセスです。電話やメールで、お客様の悩みや要望を聞き出し、彼らの興味・関心がひけるような対応を心がけましょう。
ステップ2:来店時の対応
お客様が来店したら、ここでも「売り込まない/押し売りしない」意識が重要です。
電話やメールで聞き出せなかった、お客様の希望条件について聞き出せるような対話をしていきます。
◆お客様の本音やニーズを聞き出すための質問例
- なぜその物件条件にこだわっているのか
- なぜこのタイミングで物件を探しているのか
- 物件選びでもっとも重要視するポイントは何か
お客様の顕在的なニーズ以外に、お客様と対話を重ねながら潜在ニーズを探るのが不動産営業のコツです。
潜在ニーズを聞き出すコツは、未来への希望と現在の不満・不安をあわせて聞き出すこと。
未来への希望はあくまで理想であり、ぼんやりしたものが多いものです。その希望の裏にはお客様のかかえる不安・不満が隠れています。こうしたお客様が日頃かかえる不安・不満を解消する提案ができれば、お客様の満足度も高まるでしょう。その提案力が、競合との差別化につながります。
不動産営業のコツは、売ることではなく、お客様の課題を解決することです。お客様とじっくり対話しながら、お客様目線の真摯な対応が、結果的に高い成約率につながります。
ステップ3:物件紹介・提案
お客様の希望条件、要望について聞き出せたら、次は具体的に物件の紹介・提案のフェーズに入ります。
物件紹介では、お客様が提示する条件のすべては満たせない場合もあるでしょう。その場合は、「すべての条件は必ずしも満たせない」ことを正直に伝えます。
不動産の物件選びには妥協が必要という価値観を共有できれば、お客様も納得してくれるはずです。
その上で、最善の提案(妥協)ができるようお客様と相談し、一緒に解決していく意識を持って対話を重ねましょう。お客様の信頼を得られれば、高い成約率につながるはずです。
ステップ4:内見案内
物件を紹介しお客様が気に入れば、内見のステップに進みます。実際の物件を紹介しながら、物件のオススメポイントをお客様に説明し実感してもらいましょう。
単なる物件説明に終始するのではなく、自然な形で雑談を交えながらお客様との距離感を縮められたらベストです。
雑談の話題作りのコツはお互いの共通点を探し、その共通点の話題で雑談するのがおすすめです。趣味、好きなもの、境遇や環境が似ていると、それだけで相手への安心感・好感・親和性が高まります。また、苦手なもの、嫌いなものの共通点でつながるのも悪くありません。
適度な雑談を交え、相手の心理的距離を縮めながら、内見案内をすすめていきましょう。
ステップ5:申し込み
内見案内をして、物件を気に入っているようであれば、自然な形で契約の話につなげていきます。
具体的には、
賃貸の場合:早ければ◯日から入居できる
売買の場合:売主はすぐにでも買い手を見つけたい
暗に契約する前提で自然な営業トークをしてみてください。
とはいえ、不動産は高額の取引であるため、なかなか最後の決断ができないお客様もいますが、契約(成約)を急かし押し売りしてはいけません。相手の気持ちに寄り添うことが第一です。
その上で、最後にお客様が決断できるよう背中を押すことは時に必要となります。その場合、物件の「希少性」を伝えることでお客様の決断を後押しできるので、以下の例を参考にしてみてください。
◆「希少性」に訴求し、お客様の決断を後押しするトーク例
例)決して安くない買い物ですから、判断が難しいというお客様の気持ちはよくわかります。しかし、こちらの物件は人気があります。早めに契約しないと、別の方が契約してしまう可能性も少なくありません。もしこちらの物件がご希望であれば、なるべく契約をしておいたほうがいいと思います。
以上、あくまでお客様の目線で提案し、早めの契約が合理的である理由を提示することで、決断の最後の一歩を後押しするのも重要なアプローチとなります。
ステップ6:契約後のフォロー
最後に忘れてはいけないのが、契約後のフォローです。契約の申込みから物件の引き渡しまで含めて一連の営業プロセスとなります。契約の申込み後から、物件の引き渡しまで丁寧なフォローUPを心がけましょう。
◆契約後のフォローの具体例
・疑問点・不安な点がないかを確認、フォローする
・今後の流れやスケジュールのすり合わせを行う
・何か困ったことがあれば、営業担当者(自分)が窓口になり対応する旨を伝える
こうした契約の申込みから物件の引き渡しまでのフォローを丁寧に行うことで、お客様の不安を和らげ、営業担当者への信頼・安心感が、確実な成約につながります。
不動産営業で失敗する人に共通するパターンとは
不動産営業で失敗する人に共通するパターンも見ていきましょう。不動産営業のスキルは「失敗」からも多く学べます。
「賢者は他人の失敗に学び 愚者は自分の失敗に学ぶ」の金言は、不動産営業の学びにも当てはまります。
失敗パターン1:押し売りをして嫌われる
結果が出ない不動産営業担当者に共通する点は、結果(成約)を焦るあまり「押し売り」に近い形で顧客へ接してしまうことです。
こうした「強引な営業」は、顧客の信用・信頼を得られないだけではなく、嫌悪感を持たれます。
以下、具体的な例をご紹介します。
1)相手の話を聞かず、一方的に話す
一方的なセールストークは「押し売り」につながります。まずは相手の話を聞きながら、相手の課題・要望に合わせた提案を行うことが重要です。
2)電話を切らせない
相手の承諾(YES)を引き出そうと、最後まで電話を切らせてくれない営業スタイルもお客様からすれば「押し売り」です。
3)相手の都合を考えず電話をかける
インターネットの利用が一般的になった現在、直接電話を受電する心理的なハードルが以前より高くなっています。
相手の忙しい時間帯、相手の都合を考えず、電話をかけてくる不動産営業に、多くのお客様は嫌悪感を持っています。些細な行き違いでも、一度相手に「悪い印象」を与えると、後々挽回するのが難しくなります。
失敗パターン2:対話より尋問する
売れる不動産営業担当者とは、いわゆる一般的なセールスとは違い、お客様との「対話」を重視します。対話重視の営業では、こちらから一方的に話すよりお客様の話を「聞く」姿勢が重要です。
最近では、話すよりお客様の話(要望)を聞き出す質問営業もだいぶ一般的になってきました。とはいえ、この場合の「聞く」とは相手の対話の中で自然に聞き出すものであり、一方的に質問攻めして聞くのは対話ではなく尋問になります。
あらかじめ用意した質問ばかりに気が向いて、その質問に対する一問一答ばかり繰り返すと尋問になりがちです。
まずは相手の要望を聞き取り、時に相手の言葉を反芻しながら、相手と自然に対話する意識を持ちましょう。
失敗パターン3:契約して油断する
契約してそのまま油断すると、契約後にお客様から
・周囲に反対された
・もっといい物件が見つかった
・もう少し考えてみたい
など、解約を求められることがあります。
こうした顧客心理をマーケティング用語では「バイヤーズリモース」といい、「高額な買い物をした後などに、後悔や不安を感じる心理状態」を指します。
顧客の満足度は契約直後が一番高く、そのあと何もフォローしないと徐々に冷めていく傾向があるので注意が必要です。
不動産営業は契約前も大事ですが、契約【後】も油断せずお客様をフォローしていきましょう。
不動産営業を身につけるコツ【学習編】
不動産営業のコツを学んでも、結局なかなか身につかない、実践できない悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
不動産営業のコツを座学で学んだ後は、実際の営業現場でアウトプットが必須です。効率的なインプットとアウトプットの黄金比は、インプット3割アウトプット7割といわれてます。
最後に、いままで学んだ不動産営業のコツをアウトプットして、確実に身につける方法について解説します。
1)営業台本(トークスクリプト)を作成する
学んだスキル・知識を、まずは営業台本に落とし込み、言語化します。そして営業台本をベースに何度も反復練習するのです。
不動産営業のスキル・知識を営業台本という形で言語化することで、確実にインプットをアウトプットにつなげられます。
トップ営業担当者は(無意識であっても)営業台本の「型」を持っているものです。営業が苦手で、これから意図的に営業スキルの改善を目指す場合、まず営業台本という「型」を意識して学び、反復練習し、自分のものにすることが重要です。
2)学びをアウトプットする場を設定する
学びを血肉化するためには、インプットとアウトプットのバランスが重要であることは前述の通りです。
概してインプットの場合は、あらかじめ与えられた材料があります。一方、アウトプットは意図的に自分で設定しないと中々行動に移せません。
営業に苦手意識がある場合は、いきなり営業現場で学んだ知識やスキルを実践するのはハードルが高いのも事実。
学びのアウトプットの場として、仮想的に営業現場を体験するシミュレーション(ロールプレイ営業)を、何度も繰り返してみることをおすすめします。
舞台俳優でもいきなり本番の舞台に立たないのと同じで、営業スキルの習得には練習が必要です。不動産営業の上達のコツは、アウトプットの場の設定と数稽古です。
3)PDCAでスキルをブラッシュUPする
不動産営業の練習は常にブラッシュUPを心がけましょう。逆に言えば、最初のうちは何度も失敗と試行錯誤を繰り返すことが、不動産営業を学び習得する上で必要です。
営業練習の計画(P)を立て、実践し(D)、そこから学び(C)、次につなげるよう改善を繰り返す(A)ことが重要です。
最初は失敗しても、失敗から学び、成長できればいいと考えましょう。その考えは、スキルUPに必要な大量行動の確保にもつながります。
多くの失敗、大量行動による学びと改善を繰り返すことで、不動産営業の学びは確実に身に付くでしょう。
まとめ:不動産営業のコツを学び、スキルを磨こう!
今回は不動産営業のコツについて、様々な角度からご紹介してみました。
不動産経営において、営業は売上に直結するとても重要なポジションです。不動産営業は意識すれば、体系的に学び、向上できるスキルと言えます。
本記事が不動産営業のコツを学び、成約が取れる営業を目指す人の参考になれば幸いです。
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