不動産業開業|成功するための3年戦略
2026年01月23日
不動産業の独立開業は、大きな可能性を秘めたチャレンジです。
本記事では、開業直後から3年間で生存率を高めるための実践的な戦略と、集客・営業のコツを解説します。
不動産業開業|起業後3年間が大切!

どのような業種でも、起業直後は不安がつきものです。不動産業で独立したときの、代表的な不安を紹介しましょう。
案件の確保
賃貸仲介や売買仲介の依頼をコンスタントに得るのは容易ではありません。
広告費などの販促コスト
ポータルサイト掲載料や広告費が想像以上にかかり、利益を圧迫します。
資金繰り
売上が入金されるタイミングと経費の支払いのタイミングが合わず、資金が不足することがあるでしょう。
不動産取引は成約までに時間がかかるため、「初月から黒字にしたい」と意気込んでも、実現することは厳しいのが現実です。
特に開業初年度は支出が先行しやすいため、なかなか利益が出ません。
開業後最初の数年間は「耐える期間」と割り切り、長期戦を覚悟することが重要です。
不動産業開業1年目|スタートダッシュでやるべきこと

1年目は、不動産業の土台を築く大事なスタート期間です。最初の1年間をどう過ごすかが、その後の経営を大きく左右します。
地域に根ざした関係構築
開業直後は、地域コミュニティとのつながりを築くことが大切です。
認知を目的として、挨拶回りやイベント参加などを積極的に行いましょう。
地元の自治会や町内会に顔を出して挨拶して、青年会議所や商工会などにも加入するのがおすすめです。
夏祭りの協賛や清掃活動など地元行事に協力すれば、「地域のために頑張っている不動産会社」として良い印象が広がり、声をかけてもらいやすくなります。
複数の集客チャネルを持つ
開業したら、複数の集客方法を作り上げましょう。
不動産ポータルサイトへの掲載
SUUMOやHOME’Sなど大手ポータルに物件を掲載すれば、物件検索中のユーザーからの問い合わせが期待できます。一方で、掲載料など広告コストが高く、価格競争に陥りやすい欠点もあります。
SNSの活用
XやInstagram、FacebookといったSNSで情報発信をする方法です。低コストで始められ、親近感や信頼感を育みやすいメリットがありますが、継続的な投稿やユーザーとのコミュニケーション対応に時間と手間がかかります。
チラシ配布・ポスティング
チラシをポスティングすれば、近隣住民への直接アプローチが可能です。ただし、ポスティング作業は労力や印刷費がかさむため、エリアは戦略的に選びましょう。
「ポータルサイト掲載+チラシ配布」を試し、反響が思うように伸びなければ「SNS発信」にも着手する、といったように段階的に集客方法を増やすのがおすすめです。
資金繰りと収支管理を習慣化
1年目でとくに気を配る必要があるのは、資金の流れを正確に把握する習慣です。
月次収支の見える化
毎月の収入・支出を漏れなく記録し、Excelや会計ソフトで月次ベースの数字を把握しましょう。
固定費のチェックと削減
家賃、人件費、広告費など固定費は可能な限り削減してください。
採算の合わない案件を見極める
利益の出ない案件に時間を費やしていないか検証しましょう。手数料が極端に低い契約ばかりでは、赤字になりかねません。「労力に見合わない仕事」の見極めも大切です。
開業資金は、可能であれば半年〜1年分の運転資金も含めて確保しておきたいところです。
地域とのつながりを持ち、使える集客チャネルを増やし、お金の管理を徹底することを1年目に実践できれば、2年目以降の飛躍に向けた土台ができます。
不動産業開業2年目|差別化と安定化

2年目は、他社との差別化を明確にして案件獲得を安定させる段階です。そのために必要な具体策を見てみましょう。
自社の強みを打ち出し差別化する
多くの不動産会社が、「物件情報が豊富」「親切丁寧」など似たようなアピールをしがちです。
しかし、同じような内容の宣伝をするだけでは競合に埋もれてしまい、他社と同じように見えかねません。
差別化には自社ならではの強みを明確に打ち出すことが大切です。
ターゲット顧客を絞る
「単身赴任者向け賃貸に特化」「◯◯大学生向けアパート専門」など、ターゲット層を限定するのも戦略の一つです。
扱う物件やエリアを限定
「駅徒歩圏内の物件のみ紹介」「△△町エリア限定で営業」など、網羅より専門性を重視する戦略です。エリアや物件タイプを絞ることで「その分野ならこの会社」というブランドにつながります。
情報発信を洗練させる
物件写真を高品質にして、VR内見動画も取り入れることで、「写真や動画が綺麗な不動産屋」として印象付けられます。スタッフブログやSNSで地域情報を発信するのもおすすめです。
不動産テックを活用
オンライン内見やZoom相談、電子契約など来店不要で完結できるサービスを強化し、「忙しい人でもスムーズに取引できる不動産会社」として差別化します。
リピーターと紹介客を増やす
不動産業は、リピーターや紹介による顧客が事業の安定を左右します。2年目以降は特に、過去のお客様との関係を深めましょう。
大切なのは「お客様との関係は契約成立で終わりではなく、そこから始まる」という考え方です。
一人ひとりを一生涯の顧客と捉え、関係性を築きましょう。
成約後の定期フォロー
賃貸契約なら入居から1ヶ月後、購入契約なら引き渡し後に「困りごとはありませんか?」と連絡してみましょう。
契約1周年時のお礼
取引から1年の節目に感謝のメッセージカードや記念品などを送ると、地域での新たなご縁につながります。
紹介制度の活用
賃貸仲介の場合、友人知人を紹介しやすいよう、紹介特典を設けるのも良いでしょう。大学生のアパートなどで有効です。
広告・販促の効率を見直す
2年目以降は、広告や販促の費用対効果を意識しましょう。
毎月媒体ごとの問い合わせ件数を計測し、広告費1円あたりの反響数や成約数を算出します。
「昨年と同じ媒体に同じ内容でなんとなく広告を出す」という、惰性で広告・販促をしないよう注意しましょう。
コストに見合わない媒体への出稿は、思い切って減らしてみるのもひとつの方法です。
継続的に検証・改善・実践を繰り返し、費用対効果の高い集客に磨きをかけていきましょう。
不動産業開業3年目|仕組み化

次に、不動産業開業3年目に取り組みたい、業務効率化とブランド構築のポイントを解説します。
業務フローを見直し効率化する
3年目は、業務内容の棚卸しをして、効率化できるところはないか見直しましょう。
このタイミングでの仕組みづくりは、将来的なリターンにつながります。
業務棚卸しのポイント
現在の業務をすべて書き出し、各業務の手順をマニュアル化します。その上で、自分以外でもできる業務は積極的に他の人に任せましょう。
業務の整理
物件写真の撮影やチラシ配布、契約書類の準備、経理の一部などは、アルバイトや外部への委託も可能です。
顧客管理にCRMを導入したりチャットボットで問い合わせ対応を自動化したり、電子契約サービスで契約手続きをオンライン化するといったIT活用も有効です。
人とツールを活用して業務を仕組み化すれば、経営者一人がフル稼働しなくても事業が回る体制を作れます。
再現性のある仕組みを構築して、次のステージに進みましょう。
信頼を深めるブランドづくり
不動産取引は、お客様にとって人生で最も高額な買い物のひとつです。
「この会社なら信頼できる」というブランドイメージが、成約の決め手になることも少なくありません。
3年目は今まで培った経験をもとに、自社のブランド価値を高めていく段階でもあります。
視覚的な統一感を出す
名刺や店舗看板、ホームページ、チラシなどで共通のロゴやカラーを使用しましょう。統一感のあるデザインは記憶に残り、「きちんとしている会社だ」という信頼感にもつながります。
理念や強みを発信
会社の姿勢に共感したお客様に来ていただくには、情報発信が欠かせません。事業への想いを、積極的にホームページやSNSで発信してください。
お客様の声を活用させていただだく
サービス利用者のアンケートや口コミを集め、許可を得てホームページ等で公開するのもおすすめです。
サービス品質の徹底
問い合わせへの迅速な返信、丁寧な言葉遣い、清潔な身だしなみなど、接客の質を徹底して高めましょう。
一貫したブランド戦略によって、「この会社に頼みたい」という理由をお客様に提供できます。
不動産業開業は「最初の3年」が重要!

不動産業開業直後の3年間は、会社の発展を大きく左右する期間です。
この間に「集客の仕組み」「差別化の軸」「ブランド力」「業務の効率化」といった基盤をどこまで築けるかで、生存率も成功率も大きく変わります。
不動産業開業1年目
地域に根ざして信頼関係を築き、使える集客方法を模索する時期です。堅実な資金管理を徹底して、経営の長期継続を目指し、焦らず足元を固めましょう。
不動産業開業2年目
自社の強みを明確にして他社と差別化し、既存顧客との関係強化や紹介獲得によって安定した集客基盤を固める時期です。
広告の効果検証と改善を重ね、費用対効果の高い集客方法を身につけましょう。
不動産業開業3年目
業務を仕組み化する時期です。同時にブランド作りにも注力し、「この会社なら安心だ」と選ばれる存在になることを目指してください。
不動産業の開業で大切なのは、集客力や営業力、ブランド力を磨き続けることです。
日々、小さな改善を行い、前進する姿勢が、成功へとつながります。
不動産業開業は、大きなチャンスを秘めた選択肢です。「地域で信頼される不動産会社を開業したい」「不動産業を開業し、地域へ貢献したい」という方は、ぜひ全国47都道府県に本部のある全日本不動産協会へご相談ください!
不動産業開業のご相談は「全日本不動産協会」

「全日本不動産協会」は、1952年10月に創立された公益社団法人です。中小規模の不動産会社で構成されており、2025年11月末の正会員数は38,013社で年々増加しています。
不動産に関するさまざまな事業を展開し、調査研究や政策の提言、会員を対象とした研修などを行っています。47都道府県に本部を設置し、会員や消費者からの相談も受け付けています。
地域のネットワーク構築に、全日本不動産協会をご活用ください。
カテゴリー
タグ
最近よく読まれている記事
-
省エネ基準適合が住宅ローン減税の利用条件に!令和6年以降の【変更点】を解説
2024年02月19日
-
【2025年最新】不動産資格の完全ガイド|必須資格・おすすめ資格・選び方を徹底解説
2024年05月02日
-
【必読】不動産業の開業前に読んでおきたい!一人起業のトリセツ
2023年06月01日
-
2023年05月02日
-
外国人の不動産売買・購入に規制はある?|取引のポイントと注意点を解説
2025年03月13日