管理業務主任者|マンション管理を支える不動産業資格


2026年05月12日

管理業務主任者は、管理委託契約の重要事項の説明をしたり、管理業務の報告をしたりするために必要な国家資格です。本記事では、不動産業界で働く方が管理業務主任者の資格を取るメリットと、学習のポイントを解説します。

管理業務主任者とは

管理業務主任者とは、マンションの管理業者が管理組合等に対して管理の委託契約をする際に重要事項を説明したり、管理事務を報告したりするときに必要な国家資格です。

毎年1回実施される管理業務主任者試験に合格し、主任者証の交付を受けることで、管理業務主任者として働けるようになります。

管理業務主任者の業務

管理業務主任者の業務は、管理受託契約を結ぶときの重要事項説明や、管理費の会計チェックなど多岐にわたります。

マンション管理組合の運営サポート

共用部分の維持管理、修繕積立金の管理、長期修繕計画の策定などを行います。役員は一般の居住者が務めるケースが多いため、管理業務主任者が運営をサポートします。

  • 理事会・総会の準備と運営
  • 年間事業計画・予算案の作成
  • 議事録・会議資料の作成
  • 総会の司会進行

会計業務の確認・サポート

マンション管理では、管理費・修繕積立金の出納管理や、毎月・毎年の収支報告書の作成などの会計業務を行います。

業務自体は管理会社の経理が担当するケースが多いのですが、管理業務主任者も、管理組合の財産が適切に管理されているかチェックするため、会計業務の確認・サポートを実施します。

建物や設備の管理・点検

マンションの資産価値の維持・向上や、住民の住環境を改善するため、管理業務主任者が建物や設備の管理・点検を行うこともあります。

長期修繕計画に基づいて、エントランスや廊下といった共用部の定期点検や修繕工事の計画をサポートしたり、必要に応じて専門の業者を手配したりするのが、管理業務主任者の仕事です。

居住者からの問い合わせ対応・情報伝達

マンションに住む人からの相談やクレームへの対応も、管理業務主任者の仕事のひとつです。「隣の部屋の生活音がうるさい」「共用廊下の電球が切れている」といった声に対し、内容を整理して対策を検討し、理事会に報告・提案したり、業者を手配したりします。

法定業務と責任

管理業務主任者には、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で独占的に任されている業務(独占業務)が4つあります。ここでは、管理業務主任者の独占業務について解説します。

管理受託契約の重要事項説明

マンションの管理業者は、マンション管理組合から管理事務の委託を受けるとき、説明会を開催し、法律で定められた重要事項を説明する必要があります。

重要事項を説明できるのは、管理業務主任者だけです。管理業務主任者は、「管理業務主任者証」を提示したうえで、重要事項を説明する必要があります。

重要事項説明書への記名

重要事項説明を行うときに交付する「重要事項説明書」という書類には、説明を行った管理業務主任者の氏名を記載することが義務付けられています。誰が責任者として説明したかを明確にして、説明した内容の信頼性を確保するための大切な手続きです。

管理受託契約書への記名

マンションの管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることが決まり、契約を結んだときは、「管理受託契約書」を作成・交付することになります。この管理受託契約書に記名をするのも、管理業務主任者の独占業務です。

管理事務の報告

管理事務の報告も、管理業務主任者の独占業務のひとつです。管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、定期的に管理者等に対して、管理業務主任者が管理事務について報告する必要があります。

管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等がいない場合は、定期的に説明会を開催し、区分所有者等に対して管理業務主任者が、管理事務に関する報告をします。

不動産業で働く人が管理業務主任者を目指すメリット

管理業務主任者の資格を取得することで、キャリアアップや昇進につながり、携わることのできる業務の幅も広がります。ここでは、不動産業界で働く人が管理業務主任者を目指すメリットを紹介します。

キャリアアップ・昇進

マンション管理会社は、事務所ごとに法律で定める数の管理業務主任者を置くことが義務付けられています。管理業務主任者はマンション管理会社にとって欠かせない存在のため、キャリアアップや昇進につながる可能性があります。

管理業務主任者試験の勉強を通じて得られる法律・会計・建築分野の知識には、不動産業界で役立つものが含まれています。

市場価値の向上

管理業務主任者の資格を取ると、重要事項の説明や管理事務の報告といった独占業務に携われるようになります。業務の幅が広がるため、仕事のやりがいや専門性を高めることができるでしょう。

宅地建物取引士の資格を保有している場合、管理業務主任者と組み合わせると、物件の仕入・販売・管理を一貫して対応できるようになります。管理業務主任者を取得することで、不動産営業から物件の管理・運営まで業務の幅が広がり、自身の市場価値を高めることが可能です。

顧客からの信頼向上

国家資格である管理業務主任者を保有し、適切に業務を行うことは、「専門家が法令を守りながら透明性をもって対応してくれる」という評価につながります。マンションの管理を委託している組合や入居者にとっては、大きな安心材料になるでしょう。

正確な知識をもとに丁寧な説明をしたり、専門家として適切な助言をしたりすることで、顧客からの信頼を高められます。

管理業務主任者試験とは|合格率は約20%

管理業務主任者試験は、一般社団法人マンション管理業協会が、国土交通大臣から指定試験機関の指定を受けて実施している試験です。試験の概要は、次のとおりです。

受験資格 受験に際しての資格・制限はなく、年齢・学歴等に関係なく誰でも受験できる
出題形式 ・択一式試験(出題数は50問、四肢択一で実施)
・解答方式はマークシート方式
申し込み方法 郵送もしくはWeb申込
※郵送申込の受付期間は例年8月上旬~8月下旬
※Web申込の受付期間は例年8月上旬~9月末
受験料 8,900円(非課税)
※Web申込は別に事務手数料がかかります。
※令和7年に実施された試験の受験料です。
試験日程 試験日:毎年12月第1日曜日(例:2025年は12月7日)
合格発表:翌年1月中旬
会場 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県及び沖縄県並びにこれら周辺の地域
合格点・合格率 令和6年度の管理業務主任者試験の場合
合格点:38点
合格率:21.3%

管理業務主任者の試験内容と勉強のポイント

管理業務主任者の試験内容は、主に以下の5つです。

  • 管理事務の委託契約に関すること
  • 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
  • 建物及び附属施設の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
  • その他管理事務の実施に関すること

それぞれの具体的な試験内容と、勉強するときのポイントを解説します。

法令(民法・区分所有法)

民法からは賃貸借・相続・請負・委任などから、区分所有法においては、共用部分・専有部分・区分所有権などから出題されます。いずれも実務で重要となる知識であるため、正確な理解が求められます。

マンション標準管理規約・適正化法

専有部分・共用部分の範囲、総会・理事会の権限、管理費・修繕積立金の使途など、管理組合運営の実務に直結する内容が中心です。出題数が多く、得点源にしやすい分野なので、重点的に学習しましょう。

管理実務

重要事項説明や管理受託契約の内容、管理組合会計の基本、苦情対応、長期修繕計画の策定補助、設備点検の手配など、現場で担う役割がそのまま出題範囲となります。

会計

管理組合の取引に関する仕訳問題、決算書類の読み取り、会計原則などについて問われます。会計の基本的な用語とルールを理解しておきましょう。

建築・設備

設備や施設の維持・管理・修繕について問われます。基礎構造、建築材料、給排水設備、都市計画法、建築基準法などから出題されます。写真や図面を用いた問題が出ることもあるため、用語の暗記だけでなく、設備の画像を確認するとイメージしやすくなります。

「管理業務主任者」資格取得でリスキリング!

管理業務主任者は、マンション管理の現場で欠かせない重要な資格です。管理組合や区分所有者に対して専門的なサポートを行い、マンションの資産価値の維持や安心・安全な暮らしの実現に貢献します。

キャリアアップやお客様からの信頼の獲得にもつながるでしょう。不動産業界で活躍したい方は、ぜひ取得を目指してみてください。

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「全日本不動産協会」は、1952年10月に創立された公益社団法人です。中小規模の不動産会社で構成されており、2026年3月末の正会員数は37,934社で年々増加しています。

不動産に関するさまざまな事業を展開し、調査研究や政策の提言、会員を対象とした研修等を行っています。47都道府県に本部を設置し、会員や消費者からの相談も受け付けています
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