行政書士|宅建士とのダブルライセンスで仕事力アップ!


2026年05月12日

「遺言書作成を相談されたけれど、無資格のため対応できない…」

不動産業で働いていると、そんな場面に遭遇することがあるかもしれません。

行政書士の資格があれば、自ら専門家としてお客様をサポートでき、業務の幅や収益性を広げることが可能です。

本記事では、行政書士の仕事内容、不動産業との親和性、資格取得に向けた勉強のポイントを解説します。

行政書士とは|許認可申請・契約書作成の専門家

行政書士は、官公庁へ提出する許認可申請や契約書・遺言書などの作成を通じ、個人や企業を幅広くサポートする法律の専門家です。

不動産業と関わりの深い宅建業免許や農地転用許可、建設業許可申請などは行政書士が得意とする分野。

さらに契約書や協議書の作成、相続や遺言に関する相談対応まで、法務と実務をつなぐ専門家として活躍できます。

業務の範囲は「行政書士法」に定められており、下記のように整理されます。

「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談

各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等に提出する書類を作成します。それらの相談や、官公署に提出する手続の代理も行います。

「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談

権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示に関する「権利義務に関する書類」の作成と相談も行います。

権利義務に関する書類の例

  • 遺産分割協議書
  • 各種契約書
  • 協議書 等

「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談

交渉を有する事項を証明するときの「事実証明に関する書類」の作成と相談も行います。

「事実証明に関する書類」の例

  • 実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)
  • 会計帳簿
  • 貸借対照表 等

その他特定業務

出入国管理及び難民認定法に規定する申請、日本行政書士会連合会が定めた研修課程を修了した「特定行政書士」による許認可等に関する審査請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続に関する書類作成などの業務も行います。

不動産業で働く人が行政書士資格を取得するメリット

不動産業で培った実務経験に行政書士資格を加えると、不動産売買や賃貸借契約における契約書作成・リーガルチェック、開発行為や建築確認、農地転用などに関わる許認可申請、さらには相続・遺言に関連する手続きの代行まで、幅広く対応可能です。

具体的に解説しましょう。

不動産取引に関連する許認可業務を自分で扱える

不動産取引には建築確認や開発許可、農地転用許可など、さまざまな行政手続きが欠かせません。

行政書士資格があれば、これらの許認可業務を自社で完結でき、手続きの一元化が実現します。

顧客にとっては利便性が高まり、事業者にとってもコスト削減や業務スピード向上といった大きなメリットが得られます。

不動産業と関連する許認可申請の例

  • 宅建免許の新規申請・更新申請
  • マンション管理業者登録
  • 農地転用許可申請
  • 開発行為許可申請
  • 用途変更許可 等

業務の幅が広がり収入アップの見込みも

不動産仲介や管理業務に加え、内容証明郵便の作成、契約書作成の支援、相続手続きや遺言書作成サポートなど、幅広いサービスを顧客に提供できます。

不動産関連の実務と行政書士業務をワンストップで対応でき、専門性の高いサービス提供が実現するでしょう。

独立・開業を視野に入れることはもちろん、会社に勤務している場合でも、資格手当や担当業務の拡大による収入アップが期待できます。

参考にご紹介すると、日本行政書士会連合会公式サイトの調査では、用途区分変更申出の平均報酬額は63,857円でした。

出典:令和2年度報酬額統計調査の結果|日本士連合会行政書公式サイト

顧客からの信頼性が高まり、差別化につながる

行政書士は幅広い法律知識を備えた専門家です。不動産業の実務では、宅建業法・借地借家法・農地法・建築基準法など複数の法律が関わるため、行政書士資格が高く評価されます。

行政書士としての法律知識を組み合わせれば、より専門性の高いコンサルティングが可能に。他社との差別化や顧客からの信頼向上につながり、さらなる活躍が期待できるでしょう。

行政書士|資格の概要

行政書士試験は、行政書士の業務に関して必要な知識や能力を、行政書士法に基づいて毎年1回実施されています。

各都道府県知事の委任のもとに、総務大臣から指定試験機関に指定された一般財団法人行政書士試験研究センターが行っています。

合格は、以下の基準を全て満たしたときに認められます。

  1. 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
  2. 行政書士の業務に関連する基礎知識科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
  3. 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者

なお、合格基準は、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。

行政書士の資格があっても、実際に行政書士として活動するためには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録が必要です。

<試験概要>

受験資格 年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。
試験日及び時間 毎年11月の第2日曜日 午後1時から午後4時まで
試験科目と内容 「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題)
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
「行政書士の業務に関し必要な基礎知識(出題数14題)
(令和6年度試験から適用)
一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
試験の方法 試験は筆記試験によって行います。出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式とし、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」は択一式とします。
試験場所 毎年7月の第2週に公示します。現在のお住まい、住民票記載住所に関係なく、全国の試験場で受験できます。
受験手数料 10,400円
一旦払い込まれた受験手数料は、地震や台風等により、試験を実施しなかった場合などを除き、返還しません。

出典:試験概要|行政書士試験研究センター

行政書士の試験科目

法令科目

  • 基礎法学
  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法

基礎知識

  • 一般知識
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

民法

民法からは相続、物権、債権総則・各論など幅広く出題され、基礎知識の理解が求められます。

行政法

行政法は、合否を左右する重要な科目です。行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法などを軸に、行政組織や権限行使の仕組みも問われます。

憲法

基本的人権や統治機構に関する理解を問う憲法も主要科目の1つ。条文の知識に加え、表現の自由・幸福追求権などの判例問題が頻出します。

商法

商法(会社法)は学習範囲が非常に広く、内容も複雑です。株式会社を中心に会社の設立・機関・計算・組織再編などの基本制度が問われます。

基礎法学

基礎法学では、法の基本概念や法体系、司法制度などを幅広く問われます。出題数は少ないものの、憲法・民法・行政法の理解を支える基盤であり、法哲学や法源、判例の位置づけといった抽象的な問題が出題されます。

行政書士は、合格率の低い難関資格の一つです。効率的に学習を進めるためには、独学よりも体系的なカリキュラムを活用することが重要になります。

費用はかかりますが、難関資格の取得を専門的にサポートする予備校への通学や、通信講座の受講を検討するのも有効な選択肢です。

「行政書士」資格を不動産業の強みにしよう!

行政書士は不動産業と親和性が高い資格です。

不動産仲介や農地転用、宅地の使用貸借などで発生するさまざまな書類作成、許認可手続き、相続手続きを外部に依頼する必要がありません。

不動産業にとどまらない幅広い業務を担えるので、顧客へ付加価値の高いサービスの提供、実際に不動産会社で働いているときに取得すれば、収入アップが見込めます。

難易度が高いので、専門の予備校に通ったり、通信講座で学んだりすることで、より合格へと近づけます。

気になる方はわかりやすい入門書や、スクールのビギナー講座から受講してみてはいかがでしょう。

不動産業開業のご相談は「全日本不動産協会」へ

「全日本不動産協会」は、1952年10月に創立された公益社団法人です。中小規模の不動産会社で構成されており、2026年3月末の正会員数は37,934社で年々増加しています。

不動産に関するさまざまな事業を展開し、調査研究や政策の提言、会員を対象とした研修等を行っています。47都道府県に本部を設置し、会員や消費者からの相談も受け付けています。

地域のネットワーク構築に、全日本不動産協会をご活用ください。

ご入会メリット|全日本不動産協会

入会資料請求|全日本不動産協会


カテゴリー


閉じる