不動産賃貸業とは|基礎知識と始め方


2026年08月07日

不動産賃貸業とは、所有する土地や建物を貸し出して、賃料収入を得るビジネスです。

本記事では、不動産賃貸業の基礎知識や始め方、運営のポイントをわかりやすく解説します。

不動産賃貸業(大家さん)とは

不動産賃貸業とは、自身や自社が所有する土地・建物を貸し出して、継続的な賃料収入を得る事業です。

宅建業免許は不要ですが、物件の取得・管理の仕方や税務、法令など、求められる知識や情報の種類は多岐にわたります。

不動産賃貸業の運営方法は、個人オーナーによる少数物件の管理や、法人化して複数の物件を組織的に管理する大規模経営など、さまざまな方法があります。

安定して賃貸経営を続けるには、空室のリスクや家賃滞納、修繕費の発生などに柔軟に対応することが求められます。

契約書の整備、保険の活用、管理体制の構築に加え、資金計画を綿密に立てて収支のバランスを整えることが重要です。

また、建築基準法や借地借家法といった関連法規の動向を把握しながら、物件の資産価値を維持・向上させる中長期的な戦略も、競争力のある賃貸経営の基盤になります。

不動産賃貸業の始め方

不動産賃貸業のポイントを解説します。

基本ステップ

目的・方針の明確化
賃貸収入を得たいのか、相続対策をしたいのかなど、目的を明確にしましょう。

物件の選定または取得
相続物件を活用、新たな物件購入など、物件の状況を整理しましょう。購入の場合は、立地・利回り・管理のしやすさも考慮のポイントです。

事業収支のシミュレーション
家賃・空室リスク・修繕費・税金などを含めた収支計画表を作ってみましょう。

必要な手続きの確認
運営形態や規模に応じて、必要な届出や手続きを事前に確認しましょう。

賃貸管理体制の整備
自主管理にするか、委託管理にするかを決めましょう。

入居者募集と賃貸契約
広告や不動産会社を通じて入居者を募集し、契約書・重要事項説明書を整えます。

運営・維持管理と改善
家賃の回収、建物の維持管理、更新・退去手続き、トラブル対応などを継続的に行います。

不動産賃貸業に必要な資金

不動産賃貸業には、以下のとおりさまざまな費用が必要です。

  • 物件の購入費用
  • リフォーム費
  • 運転資金
  • 予備資金

自己資金に加え、金融機関からの融資も活用するケースが一般的です。

資金調達の方法・融資の活用

過去の信用情報や自己資金の蓄積状況も審査に影響するため、日頃から信用力を高める努力が欠かせません。

下記に例を挙げる融資の審査が通るよう、健全な資金管理を行い、実現可能な計画を策定しましょう。

日本政策金融公庫
国が全額出資する公的金融機関で、中小企業や個人事業主、農林漁業者などへの資金供給を目的としています。

都道府県の制度融資
都道府県など地方自治体が、金融機関・信用保証協会と連携して、中小企業や個人事業主向けに低金利・長期融資を促進する制度です。

民間金融機関による融資
銀行や信用金庫、ノンバンクなどが提供する資金調達手段で、事業拡大や運転資金、設備投資など幅広い用途に対応します。

不動産管理の方法|自主管理と委託管理

物件の管理は大きく分けて2種類です。運営スタイルに合った方法を選びましょう。

自主管理

自主管理は、オーナー自身が入居者募集、契約手続き、家賃回収、クレーム対応、建物管理などをすべて自ら行う方法です。

入居者対応や修繕の手配に加え、法令知識やトラブル時の対応力も求められます。

管理会社に委託しないためコストを抑えられる反面、手間や時間がかかる点は否めません。

委託管理

委任管理は、賃貸物件の管理業務を専門の管理会社に任せる方式です。

入居者募集、契約手続き、家賃の集金、トラブル対応、建物の点検・修繕などを、一括して管理会社に代行してもらえます。

管理手数料は発生しますが、オーナーの負担は大幅に軽減されるでしょう。

不動産賃貸業の物件と特徴

不動産賃貸業の対象となる、物件の種類を紹介します。

住居系不動産(アパート・マンション・戸建てなど)

住居系不動産とは、アパート・マンション・戸建てなどを対象とし、個人や世帯を入居者とする賃貸物件です。

立地・間取り・築年数・設備の充実度が、賃料や入居率に大きく影響します。

アパートや戸建ては初期投資が比較的抑えられ、管理も比較的柔軟に対応できるでしょう。

マンションは耐久性や防音性に優れた物件が多く、ファミリー層や長期入居者に人気です。

事務所系不動産(オフィス・コワーキングスペースなど)

事務所系不動産とは、企業や個人事業主向けに貸し出すオフィスやコワーキングスペースのことです。

駅近をはじめアクセスが良い物件や、インターネット環境・共有設備が充実している物件は、人気が集まりやすいでしょう。

特にコワーキングスペースは、初期費用を抑えたい起業家やフリーランスからのニーズが高く、月額課金や時間貸しなど柔軟な料金体系で収益化が可能です。

ただし、入退去が頻繁で稼働率の変動が大きいため、ターゲットの明確化と差別化されたサービス設計が求められます。

商業系不動産(店舗など)

商業系不動産には、店舗・ホテル・倉庫・駐車場などがあります。

立地や周辺環境、交通量が収益に大きく影響するため、需要のあるエリアでの物件取得が重要です。

用途によって法規制や設備基準が異なるため、事前の調査と専門家の助言が欠かせません。

投資リスクと収益性を見極めた運用が求められます。

不動産賃貸業を軌道に乗せるポイント

不動産賃貸業を成功させる観点を解説します。

契約リスクへの備え

不動産賃貸業は、宅建業の免許がなくても、自ら所有する物件を貸し出す賃貸業として始めることが可能です。

ただし、仲介業者を通さずに賃貸借契約を締結する場合は、契約書を自分で作成する必要があります。

契約内容の不備や記載漏れがあると、後々のトラブルにつながる恐れがあるため、契約書の作成には十分に注意しなければなりません。

安全な運営のためには、オーナー自身が宅建免許を取る・宅建業者へ仲介を依頼するなどの対策が重要です。

エリア・立地選定

不動産賃貸業を成功させるには、需要のあるエリア・立地の見極めが重要です。

駅やバス停からのアクセス、周辺の商業施設や学校、治安など、入居者が重視する条件を考慮して物件を選びましょう。

単身者向けなら都市部や大学近辺、ファミリー層なら生活環境の整った住宅地が狙い目です。

将来的な再開発や人口動向も踏まえ、長期的に安定した賃貸需要が見込める地域を選定することが、安定経営への第一歩となります。

入居者ニーズに合った物件の用意

入居者のニーズを的確に把握した設計も、重要なポイントです。

単身者向けにはセキュリティやインターネット環境、ファミリー層には広さや収納、周辺の教育環境などが重視されます。

時代や地域に合わせて設備や内装を改善することで、競争力を高めることができます。

きめ細かな物件管理

空室リスクを減らし、安定した経営を続けるためには、物件の魅力を高める工夫が欠かせません。

定期的なリフォームや清掃、適切な家賃設定、柔軟な入居条件の設定などが効果的です。

信頼できる管理会社との連携や、迅速な入居者対応も空室対策につながります。

家賃保証会社の利用や保険加入、契約内容の見直しなど、リスクに備えた対策を講じましょう。

「民泊」への転用

賃貸物件を「民泊」の用途に転用するには、住宅宿泊事業法や自治体の条例に基づく届け出が必要です。

物件の用途地域や建物の構造、防火・騒音対策、近隣への配慮など、法的・実務的な要件を満たさなければなりません。

通常の賃貸よりも運営手間や管理コストが増える一方で、高稼働時は収益性が高まる可能性があります。

「セーフティネット住宅」への登録

空室対策や安定収入を図る手段として、「セーフティネット住宅」への登録が注目されています。

セーフティネット住宅とは高齢者や子育て世帯、低所得者など、住宅確保に配慮が必要な人々を受け入れる制度で、登録により国や自治体から家賃補助や改修費補助を受けられる場合があります。

入居者対応や契約条件に一定の柔軟性が求められるため、制度の内容を十分理解したうえで活用することが重要です。

社会貢献と収益安定を両立できる手段のひとつとして、注目されつつある制度です。

不動産賃貸業で地域貢献と資産形成を実現!

不動産賃貸業は、地域貢献と長期的な資産形成の両方を実現できる事業です。

一方で、空室リスクや入居者対応などへの準備も欠かせません。初心者の方は、無理のない資金計画を立て、リスク管理を徹底しましょう。

物件選びやエリア分析、管理方法についてしっかり学び、必要に応じて専門家に相談することも大切です。

最新の市場動向や法制度にも目を向け、着実に経験を積むことで、安定した賃貸経営につなげていきましょう。

「宅建業者として開業したい」というオーナーの方はぜひ、全日本不動産協会へご相談ください!

全日本不動産協会

宅建業開業のご相談は「全日本不動産協会」へ

「全日本不動産協会」は、1952年10月に創立された公益社団法人です。

不動産に関するさまざまな事業を展開し、調査研究や政策の提言、会員を対象とした研修等を行っています。

全国すべての都道府県に本部をおき、2026年6月末の正会員数は38,318社と、年々増加しています。

宅建業の開業や不動産業界でのキャリアアップをお考えの方は、全日本不動産協会のサポートをぜひご活用ください。

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