不動産基礎知識【借りるとき】

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10. 退去時に行うこと  10-2 原状回復の具体例

住まいを退去したときの損耗等の修理費用等について、
借り主負担の場合、貸主負担の場合に分けて具体例を解説します。

POINT 1:見た目が同じでも負担は異なる

見た目に同じような損耗等でも、その原因によって貸主、借り主のいずれが負担するかは異なってきます。ここでは、具体的な事例に基づき、貸主負担、借り主負担の違いを見ていきましょう。

貸主負担、借り主負担はどこが違う?
(一般的な例で、必ず当てはまるとは限らない)

※賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都)、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)を元に作成

貸主負担 借り主負担
冷蔵庫跡の壁の黒ずみなど
冷蔵庫の後部壁面にできる黒ずみ、いわゆる電気ヤケは通常の使用をしていても発生するものなので、貸主が負担します。同様にテレビの後部壁面の黒ずみも通常損耗と見なされ、貸主の負担となります。
冷蔵庫下のサビ跡など
サビを放置したために跡が残ってしまった場合には、借り主が適切に対処しなかったことも原因と考えられるので、借り主が負担します。
カーペットの家具跡など
家具を設置したことで床、カーペットがへこんだり、跡が付いたりした場合、室内に家具を置くのは通常の生活に必要なので、通常損耗とされ、貸主の負担になります。
フローリングの傷など
引っ越し作業やキャスター付きの椅子などを引きずって付いた傷やへこみなど、借り主が注意していれば防げたであろう損耗等については、借り主の負担となります。同じように、飲み物などをこぼしたことで発生したシミ、カビについても、借り主が適切に対処しなかったことが原因と考えられるので、借り主の負担となります。
画びょう、ピン等の穴など
下地ボードの張り替えが不要な程度のものであれば、通常損耗と見なされ、貸主負担となります。
くぎ穴、ねじ穴など
下地ボードの張り替えが必要な程度の穴になると、通常の使用を超えたものと見なされ、借り主負担となります。
タバコのヤニ
清掃で除去できる程度であれば通常損耗とされ、貸主の負担となります。ガスコンロ置場や換気扇の油汚れなども同様に、清掃で除去できる程度であれば通常損耗と見なされます。
タバコのヤニ
清掃で除去できないほど汚れている場合には、通常損耗とは言えず、借り主の負担となります。ガスコンロ置場や換気扇の油汚れなども同様で、手入れが悪く油汚れが付着したと判断される場合には借り主の負担になります。
畳、クロスの変色など
日照など自然現象によって起こる畳の変色、壁や天井のクロスの変色については通常損耗と考えられ、貸主の負担となります。
結露によるカビ、シミなど
結露の発生自体は借り主の責任によるものではないものの、結露を放置したことによってカビ、シミが拡大したと考えられる場合は、通常の使用を超えるものとして借り主の負担となります。
そのほか、貸主の負担とされるのは、
  • 専門業者によるハウスクリーニング(借り主が通常の生活、清掃を行っていた場合)
  • トイレの消毒
  • エアコン設置による壁のビス穴、跡など
  • フローリングのワックス掛け
  • 破損等はしていないが、次の入居者確保のために行う網戸の張り替え
  • 機器の耐用年数到来、経年劣化による自然損耗の結果としての設備機器の破損、使用不能
  • 特に破損等はしていないが、次の入居者確保のために行う畳の裏返し、表替え
などが挙げられます。ただし、いずれも契約内容や使用状況によって異なるので、個別に貸主・借り主との間での協議が必要です。
そのほか、借り主の負担とされるのは、
  • 風呂やトイレ、洗面台の水垢やカビなど、使用期間中に清掃や手入れを怠った結果、汚損が生じたもの
  • 他に傷をつけない手段があったにもかかわらず、天井に直接つけた照明器具の跡
  • 子どもやペットがつけた柱の傷や落書き
などが挙げられます。

POINT 2:借り主の負担する範囲は?

畳に焼け焦げを作ってしまった場合には、借り主に責任がありますから、畳を交換する費用を負担することになります。しかし、和室で1枚だけ畳を変えると、色が違ってしまって見た目が悪いという問題が生じます。その場合、借り主はどこまでを負担すればよいのかは判断に悩むところです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、このような場合を想定し、原状回復は、毀損等の補修工事が可能な最小単位を基本にするとしており、畳であれば原則は1枚単位、壁のクロスは1㎡単位、ふすまは1枚単位、柱は1本単位などとしています。その他、負担の単位を表示できないものもありますから、詳細についてはガイドラインを参照してください。

ご注意事項

1.不動産基礎知識は、住宅等の売買を円滑に進めるための一般的な参考情報であり、
断定的な判断材料等を提供するものではありません。

2.したがって、実際の取引は、物件の個別性や相手方の意向等を踏まえて慎重に進めて
いただくとともに、法務・税務等に関しては、必要に応じて専門家へご確認ください。

3.掲載している情報は、不動産ジャパンWebサイト より転載しています。

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