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一括査定サイトを利用した効果的な媒介取得法

小寺 伸幸
株式会社船井総合研究所 不動産グループマネージャー シニア経営コンサルタント

質問

いくつかの一括査定サイトへの登録をしましたが、媒介取得ができません。どのようにしたら媒介取得ができるようになるのでしょうか。

月刊不動産2019年07月号掲載
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回答

回答

 弊社でもよく媒介取得の強化をしたいとご相談をいただきます。ポイントは、①売買営業を専任化させる、②訪問査定のアポイント取得につなげるトークスキルの習得と実践、③訪問査定時の営業資料の準備をするの3つです。これを以下で具体的に解説するとともに、反響から媒介取得、売却に至るまでのマーケティングフローとKPIを図表に示しましたので、ぜひ参考にしてください。

1. スピード対応と中長期フォローの徹底

 一括査定サイトの反響を利用して媒介取得を試みている会社の多くが、一括査定サイトの反響の特徴をつかんでおらず、さらに攻略もできていない状況です。まず一括査定サイトの反響の特徴をあげると大きく2つあります。1つ目は同商圏内の会社にも同様の反響が届いており、反響があったときから競合している。2つ目は査定に出した売主の多くが査定額を知りたいだけということです。この特徴を理解して反響に対するアプローチを考える必要があります。まず反響したときから競合しているため、訪問査定までつなげるには当然ながらスピード対応する必要があります。そのためには、売買営業を専任化させることも必要です。反響からメールを受信するスピードが遅れるほど通電率(査定希望者と電話でつながる率)が下がる傾向にあるため、基本的には反響があってから1分以内に電話をかけることを心掛けたいです。兎にも角にも通電率を70%ほどにしたいところです(図表)。
 次に、今すぐに売却したいという売主よりも、まずは査定価格を知りたいという方が大半を占めているため、過去反響のフォローも定期的に行う必要があるということです。

2. 査定のアポイント取得につなげるトークスキルの習得と実践

 一括査定サイトの反響の多くは今すぐに売却したいわけではなく、まずは査定額を知りたい売主が大半ということを踏まえて、訪問査定につながるようなトークスキルの習得と実践が必要になります。
 つまり机上査定で終わらせず、訪問査定までつなげることが重要です。
 ここでは、売主からよく言われる内容を取り上げ、その切り返しトークを準備しておくことがまず大切です。特に売主からよく言われる内容である①「査定額が知りたいだけなので査定書だけを送ってほしい」と②「まだ売却は具体的に考えていない」ということに対して訪問査定につなげるための切り返しトークを準備しておくことが大切です。上述の、売主からよく言われる内容に関しては事前に準備しましょう。エリアにおいて多少の差はありますが、反響から訪問査定率25%を目指してみてください。

3. 訪問査定時の営業資料の準備をする

 訪問査定を希望する売主のほとんどは高く売却したいというニーズがあるため、訪問査定を依頼する会社を3社程度に絞っている場合が多いです。当然ながら高く売却する力のある会社は会社規模が大きいところになるため、大手の会社にどうやって勝っていくかが大切です。そのために訪問査定時には、査定書以外に以下のような営業資料を準備しておくとよいでしょう。
①年間の売買契約数の実績値(商圏内における年間販売シェアなど)
②年間の集客数の実績値(ポータルサイトの掲載シェアなど)
③高く売却するための付加価値(リフォーム対応可、インスペクション対応可、ホームステージングなど)
④売主の物件に類似した過去の販売実績
⑤物件を受託した後の販売活動の内容
 エリアにおいて多少の差はありますが、訪問査定から媒介取得率60%を目指してください。ただし、媒介取得する際に注意したい点としては、売主の物件がエリアの相場感と比較して高すぎる価格で媒介取得できたとしても、なかなか売却につながりにくいところです。目安としては、媒介取得後6カ月以内の売却率50%を目指したいところです。
 以上の3つのポイントを押さえて、ぜひ、多くの会社が攻略できていない一括査定サイトの攻略を図っていただきたいと思います。
 最後に当然ながら、買いの仲介実績がほとんどないなかで媒介取得の強化を進めることは難しいため、商圏内における不動産販売実績をある程度軌道に乗せた上で、本格的に一括査定サイト反響から媒介取得強化をスタートさせることをお勧めいたします。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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