税務相談
月刊不動産2002年4月号掲載
マイホームを取得したときの不動産取得税について教えて下さい。
0 井出 真(井出真税理士事務所)
Q
マイホームを取得したときの不動産取得税について教えて下さい。
A※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。
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不動産を取得した際の支出として忘れてはならないのが不動産取得税です。この税金は、土地や家屋を取得したことに対して都道府県が課する税金です。都道府県は登記簿の移動を確認して課税しますが、新築・未登記の家屋も調査により確認し、その取得者に課税します。不動産取得税は、「課税標準×税率=税額」により計算します。
課税標準は、固定資産課税台帳登録価額、いわゆる固定資産税評価額です。マイホームの敷地である宅地の固定資産税評価は、時価の70%程度が評価水準ですが、さらにこの2分の1を課税標準としています(平成14年12月31日までに宅地を取得したとき)。家屋の固定資産税評価は、建築費の40%~60%程度が評価水準ですが、住宅を取得したときは下表のように課税標準から一定額(新築住宅は1戸につき1,200万円)が控除されます。例えば、新築住宅の建築費が2,000万円の場合、固定資産税評価額が1,200万円(2,000万円×60%)以内であれば、この1,200万円控除により不動産取得税がゼロになります。取得する住宅が、特例の要件に該当するかどうか確認して下さい。この特例は、いわゆるセカンドハウスにも適用されますが、別荘には適用されません。セカンドハウスとは、月に1日以上は滞在する住宅をいいます。
不動産取得税の標準税率は、4%です。ただし、住宅(別荘を除く)の取得に対しては3%です。標準税率とは、都道府県が税率を決定する際に標準とすべき税率です。
住宅用地の取得に対しては、税額の減額があります。まず、税額の4分の1が減額されます。さらに、取得した住宅用地の上に下表の要件を満たす住宅を一定期間内(土地取得後2年以内等)に取得すると次のうちいずれか高い金額が税額から控除されます。①150万円×税率×3/4
②土地評価単価×2分の1×住宅の床面積×2×税率×3/4
(土地面積は200㎡が限度)
都市部において住宅用地を取得すると②の金額が高いのが通常です。この特例により、200㎡(約60坪)までの住宅用地の取得に対しては不動産取得税がゼロになるケースが多くあります。ただし、この特例は住宅用地の取得者と住宅の取得者が同一の場合とされています。例えば、土地は夫、建物は妻名義で取得すると、この特例の適用が受けられるか問題になります。詳細は、各都道府県の担当部署で確認して下さい。表:住宅の課税標準からの控除額
例題
下記の新築建売住宅及びその敷地を平成14年4月に取得した場合、不動産取得税はいくらですか。建物
延床面積:220㎡
固定資産税評価額:13,200千円(1㎡あたり60千円)土地
面積:200㎡
固定資産税評価額:30,000千円(1㎡あたり150千円)こたえ
36,000円
・建物の不動産取得税
床面積が50㎡以上240㎡以下なので、課税標準の特例の対象となる。
・・・・・・(13,200千円-12,000千円)×3%=36千円・土地の不動産取得税
平成14年中に取得した宅地は、課税標準が2分の1になる。
・・・・・・30,000千円×1/2=15,000千円(1㎡あたり75千円)4分の1減額
・・・・・・15,000千円×4%×(1-1/4)=450千円特例適用住宅の敷地の取得なので、次のa)、b)いずれか多い金額が、さらに減額される。
a)45千円
b)75千円/㎡×200㎡(220㎡×2>200㎡)×4%×3/4=450千円
a)<b) したがって、土地の不動産取得税は0円になる。