税務相談
月刊不動産2003年6月号掲載
贈与や相続で取得した宅地の評価について教えて下さい。(その2)
0 井出 真(井出真税理士事務所)
Q
贈与や相続で取得した宅地の評価について教えて下さい。(その2)
A※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。
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1.路線価の見方
①路線価の読み方
路線価は、1平方メートル当たりの価額を千円単位で表示してあります。
例)<-------300D------->例は、路線価が300,000円/㎡ということです。Dは借地権割合(60%)です。評価する宅地の接するすべての路線価を調べます。
②借地権割合
借地権割合は、路線価の右側にAからGまで表示されています。Aは借地権割合90%、それから10%ずつ低くなりGは30%です。
③地区区分と適用範囲
評価する宅地がどの地区に属しているかにより、路線価の補正率や加算率が異なります。
したがって、路線価の地区区分と適用範囲を路線価図により調べます。なお、地区の異なる2以上の路線に面する宅地は、その宅地の正面路線(原則として、路線価×奥行価格補正率の高い方の路線)の地区を適用します。④現況の利用区分
宅地の現況の利用区分も重要です。路線価評価では、自用地の評価額が基になります。他の利用区分となる宅地は、原則として、自用地とした場合の評価額に一定の割合を乗じて求めます。宅地の利用区分は次によります。自用地、貸地、貸家建付地、借地権、私道、貸家建付借地権、転貸借地権、転貸借、借家人の有する権利その他
2.路線価方式による宅地の評価
路線価方式による宅地の評価手順を説明します。接面する路線(道路)の数によって評価が異なります。
①まず、いくつの路線に面していても「一路線に面する宅地」として次のように評価します。なお、複数の路線に面するときの正面路線価は、原則として、路線価×奥行価格補正率のいちばん高い路線をいいます。
正面路線価×奥行価格補正率=1㎡当たりの価額
②角地(二方路地)は、次のように評価します。
①+側方(裏面)路線価×奥行価格補正率×側方(二方)路線影響加算率=1㎡当たりの価額
③三方路地は角地(二方路地)の価額を基に、角地(二方路地)と同様に求めます。
④四方路地は三方路地の価額を基に、三方路地と同様に求めます。
⑤上記価額を基にさらに必要に応じて補正をします。
・間口が狭い宅地、間口に比べ奥行きが長い宅地は、次の補正率を乗じて評価します。
間口狭小補正率、奥行長大補正率・不整形地や無道路地は、4割の範囲内で相当とする割合で補正します。
・がけ地等は、がけ地補正率で補正します。
・私道は、自用地とした場合の価額の3割で評価します。
・市街地農地等は、宅地とした場合の価額から1㎡当たりの造成費を引いて求めます。
⑥この様にして求めた1㎡当たりの価額に地積を乗じて総額を求めます。この価額は自用地としての評価額です。
(図)