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未経験新人営業社員の早期即戦力化のためのポイント

塔本 和哉
株式会社船井総合研究所 不動産支援部 チームリーダー シニア経営コンサルタント

質問

未経験の新人営業社員を採用した場合、なかなか一人前になりません。新人が一人前になるまでの業界平均の期間や、どのくらいの数字目標にすべきか教えてください。

月刊不動産2020年07月号掲載
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回答

回答

 未経験の新人営業社員の育成に関しては、社内で育成の仕組みをしっかり整えることが大切です。入社から1年後や1年半後以降で、月間粗利200万円程度になるような目標設定が理想です。以下で具体的に解説させていただきますので、ぜひ参考にしてください。

1. 未経験新人営業社員の採用と育成のスケジュール感

 不動産業における中途採用に関しては、完全未経験の20~30代前半の新人採用をお勧めいたします。営業経験の長い即戦力採用は、営業社員が過去の営業ツールや接客フローに固執してしまい、会社のやり方になかなか合わせられなかったり、方針に合わなかったりすることが多く見受けられます。逆に、営業経験が長くても、素直に会社の方針に従ってもらえる人であれば即採用を行うべきですが、なかなかいないのが現状です。
 そこで、新人未経験者を採用して、会社の方向性にのせながら「育成」をしていくことが、中長期的な視点での業績アップにつながります。
 未経験新人営業社員の育成と金額設定のスケジュール感において、目標として入社3カ月目までは試用期間となりますので、この期間中は上長同席のもとで契約1件を目指しましょう。その後、入社4~6カ月目は粗利目標1 0 0 万円(仲介2件/月)、7~9カ月目は粗利目標150万円(仲介3件/月もしくは付帯での単価アップ)、10~12カ月目以降で粗利目標200万円とするのが最も効果的で速いスケジュール感です。
 上記のように粗利目標や契約件数の目標を〇カ月目で△件といった形で入社当初から設定しておき、目指していただくことが大切です(図表)。
 また上記のポイントとして、入社後すぐに、ネットやメール等による新規反響案件の対応は難しいため、試用期間中は、上長や先輩社員の過去案件の掘り起こしから始めたほうがよいでしょう。入社3カ月目までに契約を決めるためには、入社2カ月目終了時点までに過去案件の掘り起こしからアポイントを取得しておく必要があり、そのためには入社から1カ月の間に、反響対応の練習や追客の練習をすませておくことが必要となるでしょう。
 掘り起こしをした案件に関しては、上長の同席が必須です。最初のうちは全接客に同席をしていき、当人のスキルによりますが、1年かけて徐々に同席回数を減らす、また物件案内には同席せずに初回接客とクロージングのみ同席するなどの同席の仕組みづくりも大切です。

2. 未経験新人営業社員の育成のための仕組み

 未経験の新人営業社員の育成のためには、まずは接客の際の活用ツールを社内で統一することが大切です。社内で活用ツールがなければそれだけで育成の期間は倍以上に長引きます。また、社内の営業社員全員がその活用ツールを使って、全員が同じフローで接客をしないと、誰を真似すればよいかわかりませんので、接客フローの統一も必要です。
 上記は、原則社員全員が統一して、営業成績の良い社員は社内のツールや接客フローを遵守したうえで、自己流を出すというイメージの接客がよいでしょう。
 活用する営業ツールと接客フローが整備されており、店舗で最も営業成績の良い社員がその営業ツールで接客を行っているロープレ動画等があればベストです。
 次に大切なポイントは営業同席とロープレの仕組みです。まず入社後は上長や先輩社員の営業活動に同席させます。反響対応から契約・決済に至るまで何度か同席ができれば業務のフローが理解できます。また、各業務フローで出てくる準備内容などは、原則、新人営業社員に準備させるようにしておくといいでしょう。
 ロープレの仕組みとして、特に新人営業社員には、毎日のロープレが必要です。可能であれば、店舗全体で新人営業社員以外の人も含めてロープレを行う風土を作ることが大切です。理想は毎日30分間のロープレの実施時間を会社で決め、その時間は他の業務を入れないようにしましょう。
 未経験の新人営業社員の採用と育成は、時間がかかる部分はありますが、しっかりと育成の仕組みが整っていれば、経験者採用よりも中長期的に見た際の定着率、会社の方針への共感度、営業成績は高い傾向にあります。未来への先行投資として、採用広告費をしっかりとかけて、応募を複数獲得し、採用選考の際には厳選して採用いただくことをお勧めいたします。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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