法律・税務・賃貸Q&A

物件案内後の契約率を向上させるためのポイント

塔本 和哉
株式会社船井総合研究所 不動産支援部 チームリーダー シニア経営コンサルタント

質問

ポータルサイトからのお客様の反響(以下、ポータルサイト反響)から、面談や物件案内には誘導できていますが、新人社員も含め、案内後の契約率を向上させるためにはどうすればよいでしょうか。

月刊不動産2020年05月号掲載
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回答

回答

 案内後契約率を上げるためのポイントは複数あり、ポイントを押さえれば、新人や未経験の社員の方でも入社後半年~1年以内で標準的な契約率に到達するはずです。以下で具体的に解説させていただきますので、ぜひ参考にしてください。

1. 案内後契約率と目指すべき数字

 ポータルサイト反響から契約につながる率は、私の経験に基づく業界平均値として15%と認識しています。この契約率が店舗全体で15%に満たない場合、まずは店舗全体で営業力を高め、仕組みを作ることが大切です。
 一方で、店舗全体で20%程度のポータルサイト反響の契約率がある会社は、人材の定着の仕組みを作り、採用活動を強化し、営業社員の数を増やすことで業績が飛躍的にアップします。客付け仲介の反響からの契約率15%を達成するためには、ポータルサイト反響からの面談(案内)率を40%以上(自社媒介物件が多い場合は50%以上)、初回面談( 初回案内)からの契約件数を40%以上にする必要があります。
 また、ポータルサイト反響から契約までの日数は、1カ月以内を目標としましょう。私のクライアント先の営業社員の場合、契約までの日数は平均1カ月以内ですが、達成してい
ない営業社員の場合はその日数が3カ月程度でした。つまり、反響から初回接客までの日数や次のアポイント設定、事前審査を通すスピード感のある営業社員が数字も作っている傾向にあるといえます。

2. 案内後契約率を高めるための実施事項

 まずは、案内日当日に申込みをもらう、もしくは次回の物件案内のアポイントをとること、事前審査書類に記入をしてもらうことをゴールとして設定しましょう。そのためには、当日申込みをしてもらうだけの準備ができているか確認をする必要があります。
 前提として、後述する電話でのヒアリングが大切になりますが、案内する物件の下見やお客様への提案時のポイント、希望条件との整合性、物件ごとの資金計画シミュレーション(月々支払い額)などは資料として整理をしておく必要があります。
 案内後の契約率を高めるための実施事項として重要なのが「来店」ですが、多くの不動産会社で来店率が低い傾向にあります。
 一方で来店をさせる仕組みのある会社の場合、新人社員の初回接客・クロージングに、店舗の他の社員が同席できるため、店舗全体での契約率が高い傾向にあります。お客様はどこの不動産業者に訪問をしても同様の物件を提案してもらうことができるため、まずは来店してもらい、自社を選んでもらえるように初回接客を行う必要があります。また、次回の物件案内のアポイントをとるため、店舗に来店してもらわないとレインズでの物件提案や書類・ツールを活用した案内後の接客ができません。ちなみに、店舗への来店誘導の仕組みのある会社のほうが店舗全体での反響契約率が高い傾向にあります。
 また、初回案内時は物件の買付申込みをしてもらえるか、次回の案内アポイントの取得がゴールになります。その場合、1物件のみの紹介ではお客様が決めきれませんので、比較検討のために3物件程度紹介をします。
 さらに、初回接客時に事前審査書類に記入してもらうことも非常に大切です。事前審査を早めに通すことで営業面でのメリットもありますが、お客様の心理として、事前審査が通っていれば住宅購入に関して具体的に考えられるようになりますし、事前審査を通した会社で物件を購入されるお客様が圧倒的に多い傾向にあります。
 上記のような流れを実現するためには、反響対応時にお客様に対して、①条件ヒアリングと②来店誘導をしておく必要があります。契約率の高い営業社員は、反響対応時の電話の時間が15~20分以上となっています。また、事前審査の話が電話対応時にできれば、事前審査の必要書類を初回接客のタイミングで持参してもらうよう提案できます。
 面談から契約までにおいて契約を阻害する要因の排除(図)ができているかどうかも非常に重要です。
 最後に、もっとも大切なポイントは上記に関して、ツール等を用いて視覚的にお客様にお伝えしているかどうかです。多くの営業社員は、いまだに口頭での提案や手書きが多い傾向ですが、ツール等を用いて視覚的に説明をしないとお客様には伝わりません。また、ツールがあれば接客時の提案の抜けもれがなくなりますし、何より新人でも真似がしやすいため、新人営業社員の営業力向上のスピードが上がります。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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