税務相談
月刊不動産2005年7月号掲載
借地権設定時における法人借地人の課税関係
代表社員 税理士 玉越 賢治(税理士法人 タクトコンサルティング)
Q
法人が土地を賃借(借地)した場合の、法人借地人の課税関係を教えてください。
A※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。
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法人が土地を賃借した場合の課税関係は、次の通りです。貸主が個人であっても法人であっても取扱いに変わりはありません。
(1) 土地の賃借に際して通常の借地権利金を支払った場合には、課税関係は生じません。
支払った借地権利金は資産として計上します。(2) 土地の賃借に際して通常の借地権利金の額に満たない借地権利金の支払があった場合
でも、次の算式による相当の地代の支払があるときには、課税関係は生じません。(式)
この場合において、土地の更地価額とは、次のいずれかをいいます。
ア.土地の更地としての通常価額
イ.近傍類地の公示価格や標準価格から合理的に算定した価額
ウ.相続税評価額
エ.相続税評価額の過去3年間の平均額(3) 土地の賃借に際して通常の借地権利金の額に満たない借地権利金の支払があった場合で、
かつ、上記(2)の相当の地代に満たない地代の支払があるときは、次の算式で計算した
金額を貸主(地主)から贈与により取得したものとして受贈益課税があります。(式)
なお、この算式の「相当の地代年額」とは、土地の更地価額(上記アからエのいずれか) ×6%の水準をいいます。
(4) 土地の賃借に際して借地権利金を全く支払わない場合でも、土地の更地価額(前記ア
からエのいずれか)×6%の相当の地代の支払があるときには、課税関係は生じません。(5) 土地の賃借に際して借地権利金を全く支払わない場合で、かつ、前記(4)の相当の地代に
満たない地代の支払があるときであっても、土地の無償返還届出書を所轄税務署長に
提出したときは、課税関係は生じません。ただし、相当の地代と実際の地代との差額が
貸主(地主)から贈与を受けたものとして取り扱われます。地代を支払わない使用貸借
の場合も同様です。(6) 土地の賃借に際して相当の地代の支払も土地の無償返還届出書の提出もしていない場合
には、借主(地主)から借地権相当額の贈与があったものとして受贈益課税があります。(7) 土地の使用目的が単に物品置場、駐車場等として更地のまま使用し、又は仮営業所、仮
店舗等の簡易建物の敷地として使用するなど、土地の使用が通常権利金の授受を伴わない
ものであると認められるときには、課税関係は生じません。借地権の契約期間と更新期間
(表)