税務相談

月刊不動産2009年12月号掲載

マイホームを取得した場合の不動産取得税の取扱い

情報企画室長 税理士 山崎 信義(税理士法人 タクトコンサルティング)


Q

マイホームを取得した場合の不動産取得税の取扱いについて教えてください。

A※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

  • 1.不動産取得税とは

     不動産取得税は、土地と建物の所有権を取得した者に対し、不動産の所在する都道府県が課税する税金です。不動産取得税は所有権取得の登記がなくても、課税されます。ただし、相続など形式的な所有権の移転等による不動産の取得は、非課税とされます。

    2.不動産取得税の計算方法

    (1) 税額の計算

     不動産取得税は、課税標準に税率を掛けて計算します。

    (2) 課税標準

     原則として土地と建物の取得時の固定資産税評価額です。ただし平成24年3月31日までに宅地を取得した場合は、固定資産税評価額の2分の1相当額を課税標準とします。

    (3) 税率

     平成24年3月31日までに取得した住宅又は土地は3%です。

    3.課税標準の特例

    (1) 新築住宅の場合

     床面積が50㎡以上240㎡以下の新築住宅については、一戸につき1,200万円が課税標準から控除されます。

    (2) 中古住宅の場合

     次の①から③までのすべての要件に該当するときは、④の金額が課税標準から控除されます。

     ① 次のいずれかの要件に該当すること

      イ.平成17年4月1日以後に取得した住宅で、個人が自己の居住目的で取得したもの

      ロ.平成17年3月31日までに取得した住宅で過去に居住に供されたものを、個人が居住目的で取得したもの

     ② 床面積が50㎡以上240㎡以下のもの

     ③ 次のいずれかの要件に該当していること

      イ.非木造は新築後25年以内、木造(軽量鉄骨造を含む)は新築後20年以内に新築された住宅であること

      ロ.平成17年4月1日以後に取得した住宅で、昭和57年1月1日以後に新築されたものであること

      ハ.平成17年4月1日以後に取得した上記イ.ロに該当しない住宅で、新耐震基準に適合していることについて建築士による一定の証明がなされたものであること。

     ④ 控除額(昭和51 年4 月以降取得分) 一戸につき次の区分に応じ、それぞれに掲げる額が控除されます。

      イ. 平成9年4月1日以降に新築の場合は、1,200万円

      ロ. 平成元年4月1日から平成9年3月31日までに新築の場合は、1,000万円

      ハ. 昭和60年7月1日から平成元年3月31日までに新築の場合は、450万円

      ニ. 昭和56年7月1日から昭和60年6月30日までに新築の場合は、420万円

      ホ. 昭和51年1月1日から昭和56年6月30日までに新築の場合は、350万円

    4.特定の住宅用地等の取得に係る減額措置

    (1) 適用要件

     この特例の適用を受けるためには、次の①から⑤までのいずれかの要件に該当することが必要です。さらに、いずれの要件に該当する場合でも、これら土地上の住宅が「3.課税標準の特例」の適用要件に該当することが必要です。

     ① 土地取得後、原則として3年以内にその土地上に住宅が新築されたこと。ただし、次のいずれかの場合に該当し、かつ土地取得が平成14年4月1日以後の場合に限ります。

      イ.土地取得者が住宅の新築まで引き続き所有している場合

      ロ.土地取得者から土地を取得した者が住宅を新築の場合

     ② 土地取得者が土地の取得日から原則3年以内にその土地上に住宅を新築したこと。

     ③ 借地して住宅を新築した者が新築後1年以内にその敷地を取得したこと

     ④ 新築未使用の住宅及びその敷地をその住宅の新築後1年以内に取得したこと

     ⑤ 土地取得者が土地の取得日から1年以内にその土地上にある中古住宅を取得したこと

     ⑥ 借地して中古住宅を取得した者がその住宅の取得後1年以内にその敷地を取得した場合

    (2) 住宅減額

     次の①又は②のいずれか高い額が税額から軽減されます。

     ① 45,000円

     ② 1m2(平方メートル)当たり土地の課税標準額(1.(2)参照)×住宅の床面積の2倍(200m2(平方メートル)が限度)×3%

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