税務相談

月刊不動産2008年2月号掲載

マイホームに係る固定資産税・都市計画税の取扱い

情報企画室長 税理士 山崎 信義(税理士法人 タクトコンサルティング)


Q

マイホームに係る固定資産税・都市計画税の取扱いについて教えてください。

A※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

  • 1. 固定資産税のポイント

    (1) 固定資産税とは
     不動産(土地と家屋)の固定資産税は、賦課期日(1月1日)に不動産を所有している者に対して不動産所在地の市町村が課税する税金です。

    (2) 税額の計算
     固定資産税は、課税標準に税率を掛けて計算します。

    (3) 課税標準
     土地と家屋の固定資産税の課税標準は、固定資産税評価額を基に計算します。

    (4) 住宅用地の課税標準の特例
     ①小規模住宅用地のうち200㎡以下の部分については、固定資産税評価額の6分の1相当額を課税標準とします。

     ②住宅用地のうち①の面積を超える部分(家屋の床面積の10倍を限度)については、固定資産税評価額の3分の1相当額を課税標準とします。

    (5) 土地と家屋の価格見直し(評価替え)
     土地と家屋は、3年ごとに賦課期日現在の価格(固定資産税評価額)の見直しが行われます。

    (6) 宅地に対する負担調整措置
     固定資産税評価額は3年ごとに改定されます。ただし、急激な課税標準の増加を抑えるため負担水準に応じた負担調整率を定め、段階的に課税標準額を評価額に近づけていくという措置がとられています。
     さらに、負担水準(評価額に対する前年度課税標準額の割合)が高い土地は税負担を引き下げたり、据え置いたりする一方、負担水準が低い土地については段階的に税負担を引き上げます。この仕組みによって、評価替えで評価額が下がった土地でも、負担水準が低かったものは段階的に税負担が上昇する場合もあります。

    (7) 税率
     標準税率は1.4%ですが、市町村により別途税率を定めることができます。

    (8) 居住用新築住宅に係る減額特例
     居住用新築住宅については、新たに課税されることとなった年度から3年度間(新築の中高層耐火住宅は5年度間)、床面積の120㎡までに対する税額が2分の1に減額されます。
     ただし、床面積が、50㎡(一戸建て以外の貸家住宅は40㎡)以上280㎡以下であることが適用要件となります。

    (9) 耐震改修工事を行った既存住宅に係る減額特例
     昭和57年1月1日以前から存していた既存住宅を新耐震基準に適合するように改修工事を行った場合、申告により工事完了時期に従って工事完了翌年分以降、最大3年にわたり住宅の床面積120㎡相当分までの固定資産税が2分の1に減額されます。

     減額実施期間は、平成18年1月1日から平成21年12月31日までの工事完了で3年間、平成22年1月1日から平成24年12月31日までの完了で2 年間、平成25年1月1日から平成27年12月31日までの完了で1年間です。耐震基準に適合したことを証する証明書を一定の機関からもらって申告することが適用の条件です。

    2. 都市計画税のポイント

    (1) 都市計画税とは
     都市計画税とは、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるため、市街化区域内の土地と家屋の所有者に対して市町村が課税する税金です。

    (2) 税額の計算
     都市計画税は、課税標準に税率を掛けて計算します。課税標準は固定資産税評価額を基に計算します。

    (3) 課税標準の特例
     ①小規模住宅用地のうち200㎡以下の部分については、固定資産税評価額の3分の1相当額を課税標準とします。

     ②住宅用地のうち①の面積を超える部分(家屋の床面積の10倍を限度)については、固定資産税評価額の3分の2相当額を課税標準とします。

    (4) 宅地に対する負担調整措置
     都市計画税にも固定資産税と同様の負担調整措置が設けられています。

    (5) 税率
     都市計画税の税率は、市町村が条例で定めます。制限税率(上限)は0.3%です。

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