不動産業者のためのコンプライアンス

 第8回   コンプライアンスと危機管理経営<その7>

今回は、コンプライアンス違反に対する5つの制裁のうち、最後の社会的制裁についてお話しします。

【5】社会的制裁

5つ目は、社会的制裁です。
企業自体やその構成員たる役員・社員等が起こした不正行為や重大ミスについて、マスメディアの報道を通じて、企業や役員・社員等の所属する業界団体、企業の取引先、一般顧客・消費者などが、自浄作用、取引中止、不買運動など、それぞれの立場で制裁を科すものです。

(1) ブランド価値の低下・信用失墜
まず、マスメディアは、国民(消費者、生活者)の目線という視点で報道し、結果として企業の事業活動に支障が生じ、社会的制裁として重くのしかかってくるおそれが十分にあります。
報道の結果として、業界団体等、取引先等、一般顧客・消費者等の団体行動、取引行動、購買行動等に変化が生じるおそれが出てきます。場合によっては、コンプライアンス違反を起こした企業自体やその販売する商品のブランド価値が低下するおそれが出てきます。 また、企業のみならず、その役員・社員等の社会的信用が失墜するなどのおそれも出てきます。

(2) 業界団体等による自浄作用
また、コンプライアンス違反を起こした企業が所属する業界団体は、「協会の内部規則に違反した」として、業界団体の自浄作用を高めるため、当該企業またはその経営陣に対して業界活動(委員会活動)を自粛させたり謹慎処分、除名処分などを科したりするおそれも出てきます。

(3) 取引先等の反応
さらに、コンプライアンス違反を起こした企業の取引先等は、そうした企業と取引を継続することに不安を感じるかもしれません。取引先等のこのような反応は、契約解除、既存取引停止などの措置にまで発展するおそれが出てきます。さらには、将来の取引機会の喪失にまでつながるおそれも出てくるかもしれません。

(4) 一般顧客・消費者等の反発
加えて、一般顧客・消費者等の不興や反発を買うことによって、製品の買い控え、製品離反、不買運動などが起こりかねず、企業の存続をも揺るがしかねない事態となることが考えられます。

(5) 風評被害の拡散
不正行為や重大ミスにかかわった企業の役員・社員等の個人情報が報道されることにより、その本人及び家族等が苦境に立たされる場合があるほか、最近のSNS の発展からインターネット上に無責任な誹謗(ひぼう)・中傷する書き込みやツイートが行われ、根拠のない風評被害を被るおそれもあるのです。
もちろん、言われなき誹謗・中傷には毅然とした対応が必要ですが、企業不祥事に関する報道が過熱化する中では、飛び交う風評被害に対する対応には相当な困難がつきまといます。

次回は、コンプライアンス違反への対処の際に配慮すべき5つの対処策についてお話ししましょう。

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