個人所有の賃貸建物に係る消費税の取扱い
税理士法人 タクトコンサルティング
情報企画室長 税理士 山崎 信義 先生
情報企画室長 税理士 山崎 信義 先生
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個人が所有する賃貸建物に係る消費税の取扱いについて教えてください。
(月刊不動産 2010年02月号より / 閲覧された回数:565回 / 参考になった人の数:6人)
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1.不動産賃貸収入と消費税 (1) 課税取引と非課税取引 不動産賃貸業に係る取引には、消費税の課税対象となるものとならないものとがあります。例えば賃貸アパートに係る家賃収入は、消費税の非課税取引(非課税売上)とされます。これに対して、駐車場収入や店舗などのテナント収入は、消費税の課税取引(課税売上)とされます。 (2) 消費税の納税義務 個人事業者が消費税の申告義務がある課税事業者に該当するかどうかの判定は、基準期間(個人は原則として前々年)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかに基づきます。基準期間の課税売上高が税抜きで1,000万円以下の場合は免税事業者とされ、消費税の納税義務はありません。 なお、個人が新規開業した年やその翌年は基準期間がありませんので、原則として納税義務が免除されることになります。 2.消費税の計算方法 (1) 原則的計算方法 [1] 税額計算の方法 個人事業者の消費税の納付税額は、課税期間(原則としてその年1月1日から12月31日まで)中の課税売上に係る消費税額から、課税仕入等に係る消費税額を控除して計算します。この計算により求めた金額がプラスならば消費税の納付、マイナスならば還付となります。 なお、消費税の還付を受けることができるのは、課税事業者又は所定の手続により課税事業者となることを選択した免税事業者のみです。したがって、課税事業者の選択手続をしていない免税事業者は、消費税の還付を受けることはできません。 [2] 仕入控除税額の計算方法 課税売上に係る消費税額から控除する課税仕入等に係る消費税額を「仕入控除税額」といいます。 課税仕入等とは、事業に係る資産の購入や借受け又は役務の提供を受けることをいいます。ただし、非課税取引や給与等の支払は含まれません。また、仕入控除税額の計算方法は、課税期間中の総売上高のうち課税売上高が占める割合(課税売上割合)が95%以上であるかどうかにより、次のように区分されます。 イ.課税売上割合が95%以上の場合 課税期間中の課税売上に係る消費税額から、課税期間中の課税仕入等に係る消費税額の全額を控除します。 ロ.課税売上割合が95%未満の場合 課税仕入等に係る消費税額のうち、課税売上に対応する部分のみが控除されます。 (2) 消費税の簡易課税制度 [1] 簡易課税制度のしくみ 消費税の簡易課税制度とは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者について、課税売上額に一定のみなし仕入率(不動産賃貸業の場合は50%)を乗じて仕入控除税額を計算する方法です。 不動産賃貸業の場合は、経費の大部分が固定資産税など消費税の課税仕入等に該当しないものなので、通常は簡易課税制度を選択するほうが有利になります。ただし、簡易課税を選択すると消費税の還付を受けることはできません。 [2] 簡易課税制度の選択手続 個人事業者が簡易課税制度を選択する場合は、適用を受けたい年の前課税期間中に、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。なお、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、原則として、2年間は実額による仕入控除税額の計算に変更することができないので注意が必要です。 [3] 簡易課税制度の適用とりやめ 個人事業者が簡易課税制度の適用をとりやめて実額による仕入税額控除を行う場合には、原則として、やめようとする年の前課税期間中に「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出する必要があります。 3.消費税の申告と納税 課税事業者は、課税期間ごとにその課税期間の終了の日の翌日から2か月以内に、税務署長に消費税の確定申告書を提出するとともに、納税をしなければなりません。ただし、個人事業者の12月31日の属する課税期間の消費税の確定申告と納税の期限は2月末日ではなく、3月31日までに延長されています。 |
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